第17話・楡崎 戌亥の場合③

 事務所での特殊な行為が終わり──脱がされた衣服を戌亥から着せられ、少し絶頂放心状態の亜夢にアダルトな玩具グッズを片付けている戌亥が言った。


「手荒なコトをして、悪かったな……オレは、あんな方法でしか興奮できない変態だ……オレの心を受け入れて開放してくれて、ありがとうな」

 そう言って、戌亥はコードが繋がったウズラ卵サイズのアダルトなグッズを、ウエットティシュで拭いた。


 戌亥が「これは、お礼だ」と言って、亜夢にキスをしようとする。

 少し驚く亜夢。

「さっきまで、オレのモノが入っていた口で……キスを……んんんっ」

 強引に亜夢にキスをした戌亥が、唇を離して訊ねる。

「どんな味がした?」

 少し考えてから、亜夢は笑顔で答えた。

「オレ、自身の味がしました」


楡崎 戌亥の場合~おわり~

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