第3話 『ダンジョン攻略』

筋肉が世界を救う。地上最強のマッチョマンによるファンタジーワールド無双!!魔王を倒して姫様を救い出せ!!




著者:ピラフドリア




第3話

『ダンジョン攻略』





 俺は次元に穴を開けて、別世界に来てしまった。そんな俺の目の前に現れたのは、ゲームとかでよくみたことがあったダンジョンだ。




 昔はよくゲームをしていた。しかし、いつからだろうか。筋肉に告白されてから俺は筋肉のことしか愛せなくなった。




 365日36時間の間、俺は筋肉との愛を深めている。そう今だってそうだ。




 俺には特殊な技がある。それは筋肉と話すことができるというものだ。




 筋肉の言葉を聞き、筋肉に気持ちを伝える。俺は筋肉と会話をしながらダンジョンに入る。




「なぁ、筋肉。このダンジョン暗いよな」




 筋肉はピクリと動く。頷いてくれたようだ。




「光ってくれるか?」




 筋肉はまたピクリと動く。光ってくれるらしい。




 俺は両腕を曲げてポーズを取る。




「マッチョフラッシュ!!」




 すると俺の身体が黄金に輝き出す。それにより真っ暗だったダンジョンが明るくなり始めた。




「素晴らしいぞ。きんに君!!」




 俺は筋肉を褒めながら先へと進んでいく。先に進むと開けた場所に着いた。




 スタジアムみたいな場所だ。俺がそこに入ると入ってきたはずの扉が閉まってしまう。




「閉じ込められてしまった」




 まぁ、いつでも脱出は可能だ。




 そんな俺の前に上から檻が降りてきた。その中にはライオンの頭に蛇の頭の尻尾、背中には太ったおっさんの顔のついたキメラが入っていた。




 なんだかよく見たことあるキメラに似てはいるが、おっさんはいなかった気がする。




 するとおっさんが喋り出す。




「貴様、何者だァァァァァァァァァァァァァ!!」




 途中からおっさんの声は掠れている。俺は深く頭を下げると、




「キン・ニクニクでございます」




 丁寧に挨拶した。するとおっさんはライオンの手を使いライオンの立髪から名刺を取り出す。




「初めまして〜、私こういうものです」




 おっさんが渡してきた名刺にはダンジョン設立会社ライマキと書かれていた。




 ライマキは今度はライオンの立髪からコップを取り出すと、蛇の口から水を搾り取る。




「是非お飲みください」




 ライマキはそう言ってお茶? お差し出してきた。




 しかし、俺はそのお茶を受け取らずに返す。




「俺はプロテイン以外の飲み物は飲まないようにしてるんです」




 俺がそう言うとライマキが怒り出した。




「俺のお茶を飲めないだと!? 俺様のお茶をだぞ!! お前はもうお客じゃない!! ここでぶっ飛ばしてやる!!」




 理不尽である。訳がわからないよ。







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