第700話
ひとまず神の声の〖スピリット・サーヴァント〗の内の一体、聖女ヨルネスを無事に討伐することができた。
上位ではなく伝説級の魔物ではあったが、ステータスの数値以上に恐ろしい奴だった。
せめてリリクシーラが守りたかった聖国を守ってやりたかったが、この都市は一面、廃墟の山と奇妙な姿の化け物の亡骸に覆われている。
俺は自身の状態を確かめるため、改めてステータスをチェックした。
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〖イルシア〗
種族:アポカリプス
状態:毒(小)、麻痺(小)
Lv :131/175
HP :1068/12237
MP :98/9904
攻撃力:10578
防御力:5837
魔法力:6971
素早さ:6782
ランク:L+(伝説級上位)
神聖スキル:
〖人間道:Lv--〗〖修羅道:Lv--〗〖餓鬼道:Lv--〗
〖畜生道:Lv--〗〖地獄道:Lv--〗
特性スキル:
〖竜の鱗:Lv9〗〖神の声:Lv8〗〖グリシャ言語:Lv3〗
〖飛行:Lv8〗〖竜鱗粉:Lv8〗〖闇属性:Lv--〗
〖邪竜:Lv--〗〖HP自動回復:Lv8〗〖気配感知:Lv7〗
〖MP自動回復:Lv8〗〖英雄の意地:Lv--〗〖竜の鏡:Lv--〗
〖魔王の恩恵:Lv--〗〖恐怖の魔眼:Lv1〗〖支配:Lv1〗
〖魔力洗脳:Lv1〗〖胡蝶の夢:Lv--〗
耐性スキル:
〖物理耐性:Lv6〗〖落下耐性:Lv7〗〖飢餓耐性:Lv6〗
〖毒耐性:Lv7〗〖孤独耐性:Lv7〗〖魔法耐性:Lv6〗
〖闇属性耐性:Lv6〗〖火属性耐性:Lv6〗〖恐怖耐性:Lv5〗
〖酸素欠乏耐性:Lv6〗〖麻痺耐性:Lv7〗〖幻影無効:Lv--〗
〖即死無効:Lv--〗〖呪い無効:Lv--〗〖混乱耐性:Lv4〗
〖強光耐性:Lv3〗〖石化耐性:Lv3〗
通常スキル:
〖転がる:Lv7〗〖ステータス閲覧:Lv7〗〖灼熱の息:Lv7〗
〖ホイッスル:Lv2〗〖ドラゴンパンチ:Lv4〗〖病魔の息:Lv7〗
〖毒牙:Lv7〗〖痺れ毒爪:Lv7〗〖ドラゴンテイル:Lv4〗
〖咆哮:Lv3〗〖天落とし:Lv4〗〖地返し:Lv2〗
〖人化の術:Lv8〗〖鎌鼬:Lv7〗〖首折舞:Lv4〗
〖ハイレスト:Lv7〗〖自己再生:Lv6〗〖道連れ:Lv--〗
〖デス:Lv8〗〖
〖念話:Lv4〗〖ワイドレスト:Lv5〗〖リグネ:Lv5〗
〖ホーリースフィア:Lv5〗〖闇払う一閃:Lv1〗〖次元爪:Lv7〗
〖ミラージュ:Lv8〗〖グラビティ:Lv8〗〖ディメンション:Lv8〗
〖ヘルゲート:Lv6〗〖グラビドン:Lv8〗〖ミラーカウンター:Lv8〗
〖アイディアルウェポン:Lv9〗〖ワームホール:Lv1〗〖カースナイト:Lv4〗
〖リンボ:Lv4〗〖ディーテ:Lv4〗〖コキュートス:Lv4〗
〖終末の音色:Lv--〗
称号スキル:
〖竜王:Lv--〗〖歩く卵:Lv--〗〖ドジ:Lv4〗
〖ただの馬鹿:Lv1〗〖インファイター:Lv4〗〖害虫キラー:Lv8〗
〖嘘吐き:Lv3〗〖回避王:Lv2〗〖チキンランナー:Lv3〗〖コックさん:Lv4〗
〖ド根性:Lv4〗〖
〖陶芸職人:Lv4〗〖群れのボス:Lv1〗〖ラプラス干渉権限:Lv8〗
〖永遠を知る者:Lv--〗〖王蟻:Lv--〗〖勇者:LvMAX〗
〖夢幻竜:Lv--〗〖魔王:Lv6〗〖最終進化者:Lv--〗
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……本体であるヨルネスが消滅したため呪いは解けたが、毒と麻痺がまだ少し残っている。
終盤では〖グラビディメンション〗に〖ヘルゲート〗をお返ししてから主導権を握り返して上手くやったと思っていたが、予想外に俺のMPが削られていた。
全体MPの1%未満である。
俺は自信満々に対応していたが、何なら最後の最後で〖闇払う一閃〗のMPが足りなくて〖因果の鏡〗と〖不滅の儀〗の完全ダメージ無効コンボを打破できず、〖因果車〗の発動を許してぶっ飛ばされていた可能性も充分にあった。
何かが少し違ったら、無様にスキルを空打ちして、五万ダメージを叩き込まれていたと思うとぞっとする。
何せアポカリプスの最大HP四周分以上のダメージである。
俺どころか、余波でこの都市自体消し飛んでいたかもしれない。
戦闘中、ヨルネスはもっと〖グラビディメンション〗を主軸に俺のHPを削っていた方が堅実だったのではないかと俺は考えていたのだが、蓋を開けてみれば二発目の〖グラビディメンション〗に俺が完全に対応できて、その結果でこれだけ残りMPが僅差だったので、ヨルネスの動き方が一番勝ちを見据えた堅実な動き方だったのだろう。
そもそもヨルネスの〖グラビディメンション〗は結局相手を倒しきるためのスキルでもなかった。
カウンタースキルでチクチクと持久戦を強いて相手から受けた総ダメージを稼ぎつつ消耗を誘い、それが通用しなくなれば〖グラビディメンション〗で極力ダメージを叩き込み、そして最後に疲弊しきった相手に〖因果車〗を確実に通すことに特化していたのだ。
戦い終わってから結果論で相手の戦法の正しさがわかると、どうにもすっきり勝った気分にはならなかった。
ヨルネスは自身の戦略を打ち砕ける強者を、神の声の許に送りたかったのではないかと俺は思う。
しかしその点で考えると、俺は本当に合格点に達していたのだろうか。
『まぁ……そんなこと、考えちまっても仕方ねぇよな』
神の声の奴は、俺が仕留める。
それしかねぇんだ。
力が本当に及んでいるのかとか、及んでいねぇのかとか、そんなことはもう関係ねぇ。
俺にできることを全部やるだけだ。
あいつのことは謎のが多いし、未だに正体が何なのかも今一つ漠然としていて見えて来ねぇ。
ただ、絶対に、この世界に残してちゃいけねぇ奴なんだ。
それだけははっきりとわかる。
投げ出して神の声の奴に迎合するには、俺は色んなことを知りすぎたし、色んな想いを背負い過ぎた。
リリクシーラ、ミーア、ヘカトンケイル、ヨルネス……全員、人間が一生の内に抱えるには重すぎる覚悟を抱いて、それを俺に託していった。
「竜神さまっ! 無事に勝ちましたね!」
三人のアロが俺へと飛来してきた。
アロ達は空中で黒くなって混ざり、〖暗闇万華鏡〗を解除して一体へと戻り、俺の目前で滞空した。
『……思ったより手酷くやられちまったけど、伝説級上位じゃなかったのが救いだ。あのスキル構成でもし俺と同ランクだったら、絶対に勝てなかっただろうな』
「伝説級……だったんですね」
そこでアロが、考え込むように口許に手を当てる。
ふ、不安にさせちまったかもしれねぇ。
これから強敵と連続で戦わねぇといけないのに、初戦のランク下の相手にこのザマだと不安に思われても無理はない。
『苦戦しちまったけど、その、独特なステータスの奴で……!』
「ち、違います! 少し考え事をしていただけですから!」
アロが慌てて手を振って否定する。
『それで……ミリア……保護してた彼女達は大丈夫か?』
「避難所になっていた宮殿に連れて行って、トレントさんを残しています。私の方は都市中に残っていたあの奇妙な化け物を狩って回っていましたが、全員無事に片が付きました。あの化け物は隠れるような行動は取りそうにありませんでしたから、生き残りの討ち漏らしはいないはずです」
『よくやってくれたアロ。後は……トレントさんを回収するだけだな』
その後は、また他の三体の〖スピリット・サーヴァント〗を捜して動くことになる。
候補の地はいくつか絞れている。
あのクソ神の声のことだ。きっと俺に所縁のある地を選んでくれていやがるだろう。
問題は、どこから回るか、という点だった。
優先順位を付けなくちゃいけねぇ。
そして遅れたところは……きっと、その遅れた時間分大変なことになるだろう。
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