たかが詩じゃないか

詩音 悠

『不器用なキスの味』

もうやめよう 話しても無駄さ

窓の外は 激しい土砂降り

もうやめよう 縋るような瞳は

君には 似合わないはずだよ

意味ありげな笑みを 浮かべた唇

もう手に負えないんだ

不器用なキスの味

不意に思い出したよ 虚しいね

もうやめよう 見つめないでくれ

一人芝居 させないでほしい

もうやめよう 気まぐれな愛なんて

心は 望んではいないさ


君にとって 愛ってなんだい

しつこいほど 聞いてみたくなる

君にとって 欲望の捌け口か

僕には 理解できないんだ

優雅な悪巧み 浮かべた唇

もう付き合いきれない

不器用なキスの味

惨めさだけが後を 引いて行く

君にとって ただの遊びでも

僕にとって 宝物だった

君にとって 時間潰しなんだろ

心に 嘘はつけないのさ


不器用なキスの味

とまどいながら君を 愛してた

離してくれ 一人になりたい

雨の音が 冷ややかに響く

離してくれ 今日ですべて終わりさ

心は もう動かされない

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たかが詩じゃないか 詩音 悠 @special12

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