故カレー事成語

菅沼九民

古カレーを温めて新しきを知る

 「古カレーを温めて新しきを知る」とは孔子がその弟子に伝えた教えとして有名です。(噓)


 孔子の弟子にカレーを愛してやまない者がいました。


 弟子は毎日カレーを食べていました。


 はじめ弟子は街のカレー屋に行ってカレーを食べていましたが、外食ばかりではお金がいくらあっても足りないと思い自分でカレーを作るようになりました。


 弟子は面倒くさがりだったので、毎日カレーを作るのは面倒だと思い、一度に大量にカレーを作って何日かに分けて食べていました。


 ひどいときには10日間分を一度に作ることもありました。


 ある夏の日の朝、弟子は他の者から、

「そのカレーは10日も前に作ったものだろう。傷んでいるだろうから捨てたほうがいい」


 と言われました。

 しかし孔子の弟子のくせに卑しい弟子は、

「いやいや、よく温めればまだイケる!!」


 と言って聞く耳を持たず古いカレーを温めて食べました。


 その日の午後、弟子は教えを求めて孔子の家に行っていましたが、猛烈な腹痛に襲われました。


「お、お師匠様……畏れ多くも厠を貸していただきたく……」


 弟子は孔子に頼んでトイレを貸してもらいました。


 間一髪で弟子は事なきを得ました。


 しかし孔子のもとに戻ってくると孔子は複雑な顔をしていました。


「我が家の最新鋭厠はどうであった?」


 なんと孔子の家のトイレは昨日取り付けたばかりの最新鋭トイレだったのでした。


 弟子は師匠のおニューのトイレに盛大にかましてしまっていたのです。


 弟子は平伏して謝り、二度と古いカレーを食べることはしないと誓いました。


 

今日の故カレー事成語

「古カレーを温めて新しきを知る」


意味

夏場のカレーには気をつけよう

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