デンマーク私事紀行

デンマーク高校の試験内容と成績

　つい先日、フランス語と数学の試験を終わらせてきたので、せっかくだから試験とその成績に関する内容を解説します。

　――― まず、「なんでフランス語？」と思った方へ。

　フランス語、または国語と英語以外の言語はB級の「続行科目」、つまりもう既に程々の知識がある／以前に経験したことがあるという意味です。

　B級科目とは二年の間だけ修学する科目のことで、他にも一年間だけのC級科目と、三年間のA級科目があります。しかし個人が選んだルートの都合によってA級がB級になりえることもあります。私の場合は数学です。

　――― ルートとは？

　先程に申した「ルート」ですが、デンマークの高校生活は選んだルートによって大きく変わります。まず、私が通っている高校がオファーするルートは全部で九つ。

　１　バイオテック(バイオテクノロジー)　・生物学A級、物理学B級、数学A級。

　２　マット・フューズ(数学と物理学)　・数学A級、物理学B級、化学B級。

　３　身体と自然　・バイオロジーA級、化学B級。

　４　社会と数学　・社会A級、数学A級。

　５　ワールドクラス　・社会A級、英語A級。

　６　ヨーロッパクラス　・英語A級、続行言語A級、社会B級。

　７　言語と文化　・英語A級、初心言語A級(スペイン語、イタリア語)、ラテン語C級(二年生から)。

　８　音楽と文化　・音楽A級、英語A級。

　９　マット・ミューズ(数学と音楽)　・数学A級、音楽A級。

　ちなみに私は8番の音楽と文化を選びました。今となっては後悔してますが楽しいです。こちらはかなり少数派のルートとなっているので、同じく少数派の「言語と文化」のクラスと混ざってパロットクラスと化しています。

　――― 試験について。

　STX(通常の高校の卒業証書)では筆記(読み書き)とオーラル(プレゼン)を合わせて全部で十個の試験があります。一年生では年次試験と試験でそれぞれ一つ。二年生ではそれぞれ二つ。そして三年生では残り全てが同時に来ます。その内の一つが国語の筆記試験です。

　筆記試験の特徴は、特に数学では、答えだけが正解でも数式をちゃんと記しておかないとポイントが下がります。一つの問題で最大10ポイントが貰えますが、数式と答えがちゃんと書いてあればの話です。理解力が求められますね。

　オーラル試験では特にプレゼンの能力を試されます。印象に残るのは国語の試験で、パンクやラップといった現代文化に関する問題が出されては、そのテキストの意味、時代背景の解説、他作品への比較などが試されます。理解力と考察力がキーです。

　――― 成績について。

　日本のように、0点から100点といった評価はデンマークにはありません。スパイファミリー第11話でアーニャが0点やらFやらの評価でしたが、もちろんあれはフィクションで、日本人に共感しやすい内容となっています。デンマークの成績はKarakter(キャラクター)と呼ばれ、その内容は下の一覧の通りです。

　ー3　・試験当日に来なかったら貰うであろう最低評価。

　00　・内容通りの事をやらなかったら貰うであろう低評価。

　02　・内容は理解していても実行が悪かったら貰うであろう評価。※合格。

　4　・内容、実行がまあまあ良ければ貰うであろう基準値の評価。※合格。

　7　・ちゃんとした実行で迷いが無ければ貰うであろう評価。※合格。

　10　・かなり良く、プレゼンが良ければ貰うであろう高評価。※合格。

　12　・全てが完璧であれば貰うであろう最高評価。※合格。

　この通り、あまり良くない02でも一応合格にはなります。ー3や00なんて余程のことをしなければ絶対に貰えません。

　そして今回の試験の結果ですが、近況ノートに書いた通り、フランス語が7、数学が02。フランス語ではラッキーだとして、数学ではものすごく運が悪かったです。高校二年を通した数学での平均評価は、筆記が7とオーラルが10だったので、かなり痛い結果となりました。

　と、今はこんなところですね。

　他にもDHOやらSROやらSRPという特別な試験がありますが、あまりに長くなりすぎるので今回はこれぐらいで。

　学園モノで、設定に凝ってる作者様方。デンマークの高校を参考にしてはいかが？