デンマークのタブー?

 北欧の国、デンマーク。

 世界中で上位に当たる裕福度、異世界ラノベで見るような昔ながらの街並み、美形で心優しい国民、歴史のある観光名所、世界的に有名な作家、俳優、スポーツ選手。エトセトラ、エトセトラ。


 皆様が想像するデンマークは上記の通りかもしれません。

 少なくとも、私はそうでした。


 しかし、表あれば裏もある。今回は「裏」の話をしたいと思います。


 最初は――― 未成年飲酒です。まず十八歳になってからアルコールを摂取したという若者はいません。もちろん、それは日本でも当たり前だと思いますが、日本の場合、未成年飲酒は厳しく扱われます。ニュースや新聞の記事になる場合もありますからね。


 ですが、未成年飲酒などデンマークでは日常茶飯事です。普通に不正をしていますし、普通にそれを笑って見過ごしています。理由はさほどの問題ではないからです。こんな事で警察が絡むなど、問題になるなど絶対にあり得ません。むしろ国民の反発を買ってしまうでしょう。


 現在のデンマークの飲酒に関する法律は――― 飲酒は十六歳から、アルコールの購入は十八歳からとなっています。



 次に麻薬についてお話します。


 日本では絶対に否定されるものですが、これもデンマークでは日常茶飯事。学校で若者たちが普通に話している時もあります。摂取は……ご想像にお任せします。


 クリスチャニア (Christiania)という首都コペンハーゲンの一部では購入が可能。もちろん、警察が監視しているので危険地帯でもあります。麻薬に関しての法律は厳しいのですが、合法化を求める人は多く、それらは平和的なデモの形で見れたりします。



 さて、なぜ未成年飲酒や麻薬があるのに国民裕福度が高いのか? 明確な理由は不明なものの、予想はつくので自分なりに解説します。


 ・アンダーグラウンド化の阻止。

 何かを規制すれば、その価値というのは値上がりし、反社会的勢力のシノギになるでしょう。なんでもかんでも違法になるとアンダーグラウンド化が進むので、それを阻止するために問題を軽視、及び規制以外の取り扱いをするのは納得が行きます。


 ・オープンな話題、そして教育。

 今現在の私はにわかですが、日本では飲酒や麻薬に関する話題をタブー視してると思います。逆にデンマークではオープンな話題となっていて、学校では麻薬以外にも責任や倫理観といった人間性についての教育も受けます。教師も生徒も、大人も子供も話しやすい内容なのです。


 ・メディア。

 これは私の憶測ですが、映画や小説などのメディアも関係していると思います。現実味のある作品は自分を見つめ直す機会にもなるので、これも一種の教育かもしれません。麻薬の環境を取り扱う日本のアニメや映画、あまり観ませんよね? 多分そういうことだと思います。


 これらに関しては決して法律が甘いという訳ではありません。しかし、規制するよりは教育させて、タブー視するよりは受け入れる――― といった感じなので、「闇が浅い、マイルドな問題」が「責任感の強い人間性」と上手く混じり合います。それが裕福度の理由の一つかもしれませんね。


 当の本人が楽しければ――― そしてその詳細と影響を存じていれば――― それらを厳しく規制しなければ、国民も裕福になるでしょう。



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