アリアズファンタジア
海星めりい
プロローグ
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ!?!? いい加減手を離せぇ!?」
「い、いやです! そう言って戻るつもりなのでしょう!?」
ちくしょう――俺が一体何をしたと……。
いつも通りの傭兵の仕事にしに来ただけ。それだけのはずだったのに……今、俺は一人用の小型飛空挺にフードで顔を隠した少女と一緒に搭乗する羽目になっている。
しかも、この少女。俺が操縦桿から手を離せと言っても聞きやしない。
元々いた飛空挺に戻られては捕まると危惧しているのかもしれないが、戻る、戻らないどころの話じゃない。
「「「「「「GRUAAA!!!」」」」」」
なぜなら、俺達の周りには上下左右どこを見ても怒り狂った
今の所は辛うじて回避できているが、暴れ回る飛翔竜の群れの中をこの小型飛空挺で飛び回れているのは正直、奇跡でしかない。
飛翔竜に当たるなり、攻撃されるなりでいつ墜落してもおかしくない状況だ。
「アホか!? このままだといつ墜ちるかも分からないから離せって言ってんだよ!!」
「え? 墜ちる? それは困ります!?」
「バカ野郎!? いきなり離すんじゃねえ!?」
「だって、離せって……」
少女があっさりと操縦桿を離したことで操縦桿に俺の力だけが加わり、急激に上昇していく。
やばいやばいやばい!? すぐに安定させないと――って、目の前にでかい飛翔竜がっ!?
「うおあああああああ!?」
「きゃあああああああ!?」
ドグシャァア!! と小型飛空挺がひしゃげる音と大地に引っ張られる感覚を味わいながら、俺はなんでこんな目にあっているんだっけと今日のことを思い返していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます