黒猫のママ
Meg
プロローグ
「シャンソンシャンソン、あたしは恋するシャンソン。あたしはあなたのためのシャンソン」
腕に抱える赤ちゃんのために、歌を歌った。
薔薇色の夕焼けの空。緑の林。甘い土のにおい。畑や風車小屋の、のどかな景色。
赤ちゃんはすやすやと寝ていた。
「かわいいあなた。いとしいあなた。あたしはあなただけのシャンソン」
赤ちゃんの寝顔をじっくり見て、小さな頭をなでる。くるくるの金の巻き毛がいとおしい。ぽろぽろ涙がこぼれた。
眠る赤ちゃんを、小さなかごにいれた。ひとりで林の中へ向かう。
もう二度と、ここにもどることはない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。