第12話【島津豊久《シマヅトヨヒサ》】

第12話【島津豊久シマヅトヨヒサ


慶長5年(1600年)あっけなか......

関ヶ原の戦がまさか一日の間に決したという事態に思わず口から零れた言葉がこいじゃ...


我ら島津の軍勢は叔父上の島津義弘シマッヅヨシヒロを大将に西軍に属していたが西軍の敗北が決したこの状況の於いて撤退は困難なことは明らかであった。

敵中に孤立していたからだ。


「叔父上⁉何をしもんそか⁉」

叔父上は自害しようとしていた。

「おいはここで腹ば斬る‼」

いかん‼ここで叔父上を失うは島津家の興亡コウボウに関わる一大事じゃ...お止めせねばならん。

「ここで腹ば召されれば武士の面目を保つは容易か!じゃっどん薩摩隼人サツマハヤトの名折れにごわす!同じ死に戦なら死中に活を見出す工夫をして奮戦してこそ島津の戦ではありもはんか⁉」


-それから時間を置かず叔父上は撤退戦を命じられた-

「豊久‼何をしておるか!」

「島津の捨てシマヅノステガマリじゃ!叔父上を生かす工夫においの命を懸けるのは計算に入っておる故...叔父上、さらばでごわす!」

「豊久ぁぁぁあああああ‼」


「チェストォォォォォォォォオオオオオオオオ‼」


島津豊久シマヅトヨヒサ】討死(享年30歳)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る