第11話【後藤基次《ゴトウモトツグ》】

第11話【後藤基次ゴトウモトツグ


慶長20年(1615年)5月、遂に我ら豊臣方は野戦により決戦に打って出た。

否、出ざるを得なかった。

太閤殿下の大坂城はもはや裸城となり籠城すらかなわぬお飾りと化したからの他ならぬ。

道明寺の儂は真田隊らの合流を待っていたがおりしも霧がひどい。

小松山に布陣した我らは膨れ上がる徳川勢相手に我武者羅に抵抗した。

「真田はまだか‼真田はまだか‼」

馬蹄の音が遠くから聞こえる...

「あれは?伊達家の片倉の旗か?」

一瞬気が緩んだ...

「騎馬鉄砲隊とは伊達政宗ダテマサムネ傾奇者カブキモノよ...」


「後藤殿~‼」

真田か...遅いわ...


後藤又兵衛ゴトウマタベエ(基次)討ち取ったり‼」

後藤基次ゴトウモトツグ】討死(享年56歳)

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