第8話【森長可《モリナガヨシ》】

第8話【森長可モリナガヨシ


天正12年(1584年)今は亡き上様(織田信長)の権力闘争に勝利した羽柴筑前ハシバチクゼン(後の豊臣秀吉)が上様の実子・織田信雄オダノブカツ様と揉め始め、そこに徳川家康トクガワイエヤスが介入して戦が始まった。

私は岳父・池田恒興イケダツネオキ殿に従い羽柴方についた。

やがて戦は膠着状態となった。

「中入をせい。」

羽柴筑前の鶴の一声によって三河国に於ける徳川家康の本拠地への奇襲策の決行が決まった。

否、決められた。

序盤こそ手柄を挙げたものの戦の手練れた家康は対策を講じていた。

本隊である羽柴秀次ハシバヒデツグ殿の軍勢は総崩れの憂き目に遭い潰走カイソウ

気がつけば我らと池田殿の隊は敵前に突出してしまった。

「これでは助かるまい。おやじ殿加勢いたす!」

池田隊と合流して徳川の軍勢に挑んだ私は暴れに暴れた。

「我こそが織田家中に鬼武蔵と謳われし————————」


森長可モリナガヨシ】討死(享年27歳)

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