第2話【長宗我部信親《チョウソカベノブチカ》

第2話【長宗我部信親チョウソカベノブチカ


天正14年(1586年)私は父上(長宗我部元親チョウソカベモトチカ)と共に仙石秀久センゴクヒデヒサ殿率いる豊臣秀吉公の軍の将として豊後の大友宗麟オオトモソウリンの救援の為に参陣した。

敵将.島津家久シマヅイエヒサが大友の鶴ヶ城へ攻撃を始めたとの報せが入った。

仙石殿と我らは戸次川に陣を敷いて軍議を開いた。

「急ぎ川を渡り勝負を決すべし!」

仙石殿の主張に対して、

「加勢を待ち合戦に臨むべし!」

と、父上と意見が分かれた。

結局仙石殿のごり押しによって渡河策に決した。

「これでは敵の罠に飛び込む狐のようなものだな...」私はそう愚痴るしかなかった。


合戦が始まるや仙石殿の軍勢はやはり敗走の憂き目にあっていた。

「それ見たことか...!」

乱戦の中父上とはぐれてしまった。しかし、敵は押し寄せるばかりである。

「若!お退きくだされ!」桑名太郎左衛門クワナタロウザエモンに促されたがそれもかなわぬと思われた。

「我こそが長宗我部元親が嫡子信親である!我が太刀を存分に味わえ!」

乱戦の中で遮二無二シャニムニ敵兵を切り伏せたが....


長宗我部信親チョウソカベノブチカ】討死(享年22歳)

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