青春の縁カウント
Kさん
プロローグ
「ごめんなさい。今付き合っている人がいます。」
言葉を失うとはまさにこの事だ。
高校1年の6月、柏田快斗は人生初めての告白をした。
僕の人生の中で、今後これ以上緊張することはないんじゃないだろうか。
でもこの緊張は結果がわからないからという心配を含んでいない。
僕の性格を臆病だという人がいる。それについて反対する気はない。
でもそれは決して悪いだけの意味ではないんじゃないだろうか。
臆病ってことはつまり思慮深いってことだ。
だから、僕は自分の性格が嫌いじゃない。
今告白しているのがその答えだ。
・・・そのはずだったんだけど、
今彼女から発せられた言葉は、僕の想像に一ミリもなかったもの。
僕の人生初めての告白は、苦すぎる思い出で幕を閉じることになった。
***
彼女を好きになったのは具体的にいつだっただろうか・・・。
この「好き」という感情がどういう感情なのか正直な話わかったもんじゃない。
彼女に関しても、出会ってまだ日が浅いし、会話だって特別なことをしたわけじゃない。
確かに彼女に惹かれた部分があるのは確かだ。
しかしそれをすぐ恋愛に結びつけるのは正直無理があるんじゃないだろうか。
もしかしたらこれは僕が恋愛素人だからなのかもしれない。
他の人はどんなタイミングで人を好きになるんだろうか。
なんというか、お花畑という表現とは真逆にいる自分に笑ってしまう。
その意味で言うなら、僕の脳内は荒地になるのかな。草木1つ生えてない。
そんな現実的な考えを持つ自分はやっぱり嫌いじゃない。
こう言う時、自分がひねくれていることを自覚する。
だから僕がその人を好きになったのも、一種のひねくれから生まれたんだろう。
彼女に対して初めて覚えた感情をジャンル分けするなら何になるだろうか。
・・・変な話だが、「怒りと恐怖」っていうのが一番近いかもしれない。
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