女の子みたいな体のボクなので、どうしても、えっちも女の子どうしのえっちになってしまう
ヤッキムン
【1】
ロンドンの営業所で両親が仕事してる時に自分は生まれた。生まれた時テムズ川のほとりをベビーカーに乗って両親と一緒に散歩していたのをなんとなく覚えてる。可愛いロンドンのお姉さんたちみんな、すれ違う時に、ボクの顔をのぞきこんでくるので、照れてしまう。ボクと同じくらいの、ちっちゃい女の子と、すれ違って、おたがいに顔を見合わせたりする時には、キュンってしてしまう。
ママと大英博物館に行くために、大通りを渡ろうとして待っていたら、近くに、イギリス人の若いママが赤ちゃんを抱っこしてて、そのママが
「ロンドンの車は激しいから、おたがいに渡るの大変よね~!」って、話しかけてきた。
それで、ボクのママも
「大阪も激しいけど、みんな、うまいこと渡ってますわよ!大阪もロンドンも、ピーターラビットのいるような場所じゃないですからね~」って返してた。
ママとロンドン動物園に行った。ボクはゾウさんのぬいぐるみを握りしめて、動物園を歩いてた。
ロンドンのあと、パリの幼稚園に入った。パリの幼稚園で、イレーヌちゃんと友達になった。イレーヌちゃんのパパはフランス人、ママは日本人。ママが日本人だから、イレーヌちゃんは日本語もしゃべれる。だから、ボクはイレーヌちゃんとは、いつも日本語でしゃべっている。
イレーヌちゃんと、よくオルセー美術館に行く。2人で走って、カバネルさんの描いた絵画「ヴィーナスの誕生」を見に行く。2人とも、この絵、大好き~。ブーグローさんの描いた「ヴィーナスの誕生」も、やはり大好き~。
ボクは女の子みたいなので、イレーヌちゃんとも、女の子どうしの友達みたいに、まわりから見えてると思う。
オルセー美術館の学芸員のお姉さんとも顔馴染みになってて
「2人とも、この絵、ほんとに好きなのね~」って、いつも言われる。「2人とも、大きくなったら、この絵のヴィーナスみたいに、きっとなるわよ~」って言ってくれたから、
「お姉さんも、この絵のヴィーナスみたいだよ~」って返しておいた。
「でも、イレーヌちゃんが、いちばん、この絵のヴィーナスに似てるんだよ~」って、お姉さんに言ったら、
イレーヌちゃんは、
「あやめちゃんが、いちばん、この絵のヴィーナスに似てるよ~」って言ってくれた。
そしたら、お姉さんは
「2人とも似てるよ~」って言ってくれた。
ヴィーナスの誕生の絵を見ながら「いつか、こんな絵を描きたいなあ~」って言ったら、お姉さんに「描いてね~」って言ってもらえた。
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