かわいい弁当箱
「エルフの国めざす前にみんなに言っておかないといけない事がある、俺は今7年前より戦闘力が弱くなってるんだ、だから戦闘は任せる事が多くなると思う」
「どういうこと? クロウ君のスキル『太陽の加護』昼間ならめっちゃ強かったよね、どういう事なの?」
「見せるのが早いね」
部屋の日除けを外し、自分の右手を太陽光にさらすと5秒ほどで軽い火傷になる。
「!!!」
「くっ、痛え……太陽光の耐性が大分なくなってるんだよ昼間はがんばって1時間くらいしか戦えないと思う」
「なんでそんな事になっているの!!!」
「陽があれば陰が生まれる、『太陽の加護』なら陰も使えるんじゃないかと色々やってたら陰の親和性上がり過ぎちゃったみたい」
「陰キャにも程があるだろクロウ君!」
さすがダンちゃんツッコミが陰キャとか上手いこと言うなぁ。
「昼間、深くフードかぶってれば問題無いし、弁ちゃんの『弁当』食べればバフの効果かわからんけど耐性上がるっぽいんだ」
それで何度も助けてもらったからな……
「私の『弁当』大分バフがかかるようになってるからね、フフン♪ けどクロウ君が昼間の移動無理そうなら夜に移動しようか?」
「大丈夫だよ、弁ちゃんの『弁当』食べて何度も実験したんだ昼間で問題ない」
「しょうがないわねぇ、『弁当箱』!」
弁ちゃんはスキルを発動させて可愛らしい猫の絵が描かれた弁当箱が作られていく。
「はい、ルナちゃんのお弁当箱よ、これからはちゃんと1人ずつ食べなさい、そして古いほうはクロウ君が使いなさい!」
「わぁ、ありがとう慶ちゃん!この絵は猫ちゃん?」
「そうルナちゃんを描いたのよ!」
「えっ、ルナは虎だよ……猫じゃないよぉ……」
うおぉぉぉ、そういえばルナが虎との半獣って言ってなかったな、虎なんて子供だと猫と見分けつかんしスマン弁ちゃん。
「ルナの弁当箱カワイイじゃないかぁ、嫌ならお父さんのと換えてくれよぉ!」
「えっ嫌だよぅ、ルナのがカワイイもん!」
「そっか、良かったなカワイイの貰えて♪」
「うん!」
なんとかフォローできたか?、しかも耐性の話から上手くそれた、そこは突っ込まれても今は答えられんからなぁ……
「おい弁当娘、あたしのも作ってくれ!」
キキのやつもルナにつられて弁当箱が欲しくなったようだ。
「誰が弁当娘よ!、慶ちゃん作って下さいって言ったら作ってあげるわ!」
「作って下さい慶ちゃん!、あたしも食べてみたいんだよ、ルナのやつが毎日毎日おいしいおいしいって言ってるのを聞かされてるんだよ、もう我慢できないんだよ!」
なんかキキのやつ必死だな、毎日ルナの影の中で匂いだけ嗅いでいたんだな。
「しかたないわねぇ!わかったわ、『弁当箱』!」
今度は角が2本生えたカワイイ鬼が描かれた弁当箱がつくられていく、おっ!絵がプラ板みたいにちょっと立体だぞ。
キキは弁ちゃんに弁当箱を手渡されゆっくり指でフタを確かめている。
「おおっ、わかるぞこれは角じゃな、2本あるぞ、あたしのカッコイイ鬼の絵に違いない!」
見えないってある意味幸せだな……カッコよさはゼロだ!、そして当たり前のように盲目のキキにわかるように作るとは弁ちゃんさすがだな。
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