スリーアウト+

 朝になり弁ちゃん達が訪ねてきた。

「慶ちゃん、おはよ~♪」

 ルナが元気に挨拶している。


「それでみんなどうするんだい? 手伝ってくれるのかい?」


「ええいいわ、私達『スリーアウト』はクロウ君の泥船に乗ってあげるわ!」

 

「ふははははっ! 確かに泥船だよ、沈みそうなら逃げてね♪」

 泥船かぁ確かにな、沈みそうだもんな。


「新パーティ結成ね、パーティ名どうする?」

 

「そんなん何でもいいよ」

 そういや昔もコイツ等パーティ名決めるの悩んでたなぁ。


「ダメだよクロウ君パーティ名は大事だよ!」


「パーティ名は大事って、それじゃなんで『スリーアウト』なんて俺が適当に決めた名前使ってんだよ」


「!!! 適当だったのかよクロウ君! 君が1人1人はアウトでも3人いたら3アウトで攻守交代だ……ルールが変わるんだぜって、救助クエストの時に『助けにきたぜスリーアウトだ』攻守交代の時間だ、反撃開始だぜとか言ったらカッコいいって言うからそうしたのに」

 

 なっなんだと!……アウト(変態)ばっかりだから『スリーアウト』でいいだろって、そういや適当に理由喋ってた気がする……忘れてたわ。


「そっそうだったね、じゃあ『スリーアウト+』で」 


「また適当じゃないでしょうね!!!」

 なんで弁ちゃんキレ気味なの?


「適当じゃないですよぉ……『スリーアウト』でルールが変わったその先『プラス』、俺達がルールを変えてその先を作っていくんだという深い意味があるんだぜ」


 ヤバいな、とっさの言い訳クオリティ低すぎた……


「いいじゃない」

「いいね」

「さすがクロウ」

「屁臭のクロウにしてはやるな」

「お父さんスゴイ!」


 なんか絶賛されてる、ひとり悪口入ってた気がするがまあいいか……コイツ等チョロすぎだろ、心配になるわ。


 こうしてパーティ『スリーアウト+』が誕生した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る