かくし子?

「それで、5年も連絡せずに何やってたの?」


「何って帰還の方法を一生懸命探してたんですよ」


「クロウ君が一生懸命とか言うとウソ臭くなるから、真面目に答えてね、腹殴るよ♪」


 ぐふっ……!、言葉と同時に殴られてた。

 言ったときにはもう行動が終わっているって酷いよ、プロシュ○トの兄貴もびっくりだよ。


「それで、何やってたの!!!」


「解った真面目に答えるよ、エルフの国行ったり、竜種の国行ったり色々だよ、そして帰還が無理そうなのが解って、こっちでの生きて行こうとあがいてたよ」


 弁ちゃんはホントかなぁと疑うような目でみている。


「そうそう後、聞きたかったことがあるんだけど、私の渡した『弁当箱』誰が持ってるの?」

 

 俺達はこの世界に来た時にスキルを1つ手に入れていて、弁ちゃんのスキルは『弁当』弁当箱を作り出し、離れた弁当箱にも弁当を送れるんだ。


「!? 俺が持っているよ」



「えっ! クロウ君が持っているの? たまに食べ終えた弁当箱に女の子から手紙が入っているのよ、いつも美味しいお弁当ありがとうって、どういう事よ!」



 そんなことできるのかよ、離れた空の弁当箱に弁当が補充されるだけでもびっくりなのに、連絡手段として有用じゃないか!


「そうかあいつそんな事してたのか……今、子供と住んでるんだ」


「クロウ君、どこから連れてきたの」

「だめだクロウ、犯罪だぞ!」

「おまわりさーん、ここでーす」


 おまいらホント仲いいな!


「俺の娘だ!、今6歳で獣人とのハーフだ!」


「!!!」


 さすがにびっくりして3人とも声も出ないようだ。

 子供の手紙入ってても俺の子供とは考えなかったのか……、まあ俺陰キャの根暗だし。



「クロウ君母親はどうしたの?」


「……もういない……」


「ごめんねクロウ君、余計な事聞いたわね」


「いいよ別に、もうすぐ娘が帰ってくるから会ってあげてくれ、あいつお前達のパーティ『スリーアウト』のファンなんだよ」


 こうして娘『ルナ』を待つことになった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る