第9話 カモンおねえの部屋!

今日はまた秋斗君あきとくんの家に来ている。


「今日は、お母さんたち居ないから。も仕事だし」

「? あいつ? 誰それ。」

「良いの良いの。春花はるかちゃんには無関係だから。」

「むっなにそれ。ちょっと言い方むかつく。」

「ごめんごめんおれのおねえだよ」

「お姉ちゃん? いたんだ。初めて知った。」

「初めて他の人に言った。」

「フーン まぁマリモカートする?」

「うん。」


お姉ちゃんなんていたんだ。ってか誰にも言ってないんだじゃあ私が初めてだ

私もお兄ちゃんならいるけど今一人暮らしだもんな。


「今度こそ勝つぞー!」

「はいはい。にしても秋斗君は弱すぎ。」

「弱くないもん。春花ちゃんが強いだけだもーん!」


ガチャ バタン


「ん? 今玄関空かなかった?」

「へ? マジ? もしや…」

「たっだいまー! 秋ちゃん帰ってんなら鍵開けといてってば」

「秋ちゃん? 秋斗君のこと? あの美人だれ?」

「……秋ちゃん⁉ その子だれ⁉ 秋ちゃんの彼女⁉」

「うっわマジか…」

「え? 秋斗君……誰あの人。状況が理解できない。まさか…浮気?」

「違う! 断じて違う!」

「どうもー秋ちゃんの彼女冬華とうかでーす!」

「おい! 姉貴! 変なこと言うな!」

「彼女? 姉貴? へ?」


状況が理解できない春花だった。


「うーんと? 秋斗君の彼女でありお姉さんである冬華さん?」

「イヤ彼女じゃないから! 家族! おれのおねえ!」

「あ! さっき言ってたお姉さん⁉ めっちゃ美人!」

「あららバレちゃった。秋ちゃんの姉の冬華よ? あなたは?」

「あっ! 秋斗君と数週間前からお付き合いさせていただいております春花です。」

「しっかりした子ねぇ。うちの愚弟ぐていがお世話になってます」

「おいさらっと愚弟とか言うな。」

「お姉さんも一緒にマリモカートします?」

「おいやめろ。こいつと一緒は無理……」

「ちょ! 失礼ね秋ちゃん! お姉を甘く見ないで頂戴!」

「そこが嫌。」

「? それならお姉さんの趣味とか聞いても?」

「春花ちゃん! それは!」


ピクッ!


「よくぞ聞いてくれたわ…私の趣味は…推し活! 私のやってる極道の姫君って言うゲーム! 略すと極姫! 極姫は最近色々とイベントをやっていてこの前は京都の温泉とコラボやってたの! 最近は春イベントでガチャの排出率が全キャラ2倍以上になっていて私の推し青葉あおば海里かいりってキャラも排出率2倍なの! だけどなぜか最近出ないの! 私の会社のお金全部みつぐってほど回しても出ないの! だから今日は運よく連休が取れたから秋ちゃんに指運分けてもらいに来たんだけど良いかしら⁉ 他の子もかっこいいし可愛いけどやっぱりいちばんは推しよね! モーマジで会社の金全部使ってやろうかってぐらい推す!」


「おい姉貴。会社の金は使うなよ?」


……めっちゃしゃべる! なにこの人。推し? 何言ってるのかが全く分からないって程に早口! もう一回言って貰おうかな? いやでもこのお姉さん今めっちゃ息キレてるさすがにかわいそう……?


「そんなことより……この子…絶対にあうわね……」

「おいまさか…俺の彼女に着せたりしないよな?」

「ふッそのまさかよ…」

「ちょ! やめろよ⁉」

「ようこそ式羽田家へ、そしてカモン! おねえの部屋へ!」

「おい!」

「へ?」


これから私はどのようなことに巻き込まれていくのだろうか…

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