我が家のいじめ殲滅記
絶坊主
第1話 いじめの始まり
依然としてニュースで目にするいじめを苦とした自殺の報道。本当に胸が痛む・・・
まさか我が子にも“いじめ”が起きるなんて・・・
でも、これはどの家庭にも起こりうる問題。決して他人事ではない。 我が子を守る。何がなんでも守る。心配するな、お前には俺がバックにいるからな・・・
今から4年前。私の息子が15歳の頃。
積もりに積もった私の鬱積とした感情を抑える事が困難な出来事が起こった。
Iという息子の同級生。小学校から顔見知りで、低学年の頃、家に遊びに来た事も過去にあり、私も少し会話した事もあった。
小学校時の関係性は良かった。
ただ、少しばかり息子に対するいじりが酷くなってきている事は聞いていた。その頃からIに対する鬱積は少しずつ積もっていた。
Iは体が大きく小学生にしては狡猾な面もある事も聞いていた。
元プロボクサーだった私。息子には男だから自分の身を守る術をと幼稚園から始めたボクシング。ところが元来優しい性格な息子。
「僕は人を殴るのが本当に嫌なんだ。」
小学2年の頃、切実に私に訴えてきたのを機にボクシングを止めさせた。
せめてトラブルになった時に対処できるようにと、息子が機嫌のいい時を見計らってミットを持ち、パンチのコンビネーションだけは体に覚え込ませていた。
中学に入り、息子はIと同じ卓球部に入った。
そこから始まった。
Iは小学生の頃からスポーツ少年団で卓球をしていたせいか、試合にもバンバン出て、実際、成績も残していた。
一方、息子は中学から始めたせいか試合にも勝つ事が少なく、部の中での立場がIとは差があった。
そんな事も関係していたのであろう。Iの息子に対するいじりが日を追う毎に酷くなっていた。
「ちょっとIに言った方がええんちゃうか?」
息子の髪型を玉ねぎと揶揄し、「お前、玉ねぎくさいな~!」と、別に息子自体が臭いというわけではないのにガキみたいないじり方で息子をからかうようになった。
「やられたら殴り返してええからな。責任はパパがとったるから。」
私は常々、息子にそう言っていた。
格闘技を習っているから手を出してはいけない。こんな指導をする方がいるけれど、私はそう思わない。
やられたら自分を守る為、自分の持っているスキルを存分に出すべきだと思う。でなきゃ何のために格闘技をしているんだって話。
ただ、Iは言葉でのからかいだけ。これが結果的に私の鬱積が蓄積する原因となった。
息子は私に似て明るい性格。それがみるみるうちに冗談も言わなくなり、暗くなっていった。
そしてとうとう決定的な出来事が起こる。それは私の体を震わせる程、汚いやり口だった。
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