成長するということはそういうことではない

バブみ道日丿宮組

お題:高い痛み 制限時間:15分

成長するということはそういうことではない

 朝起きると、

「いだっ!?」

 猛烈に股間が痛かった。

 のたうち回りたかったが、場所が場所だけに動けなくなる。こんなときでさえ、膀胱はまともであり、尿を要求してくる。身体の仕組みってすごいよね!

 さすがにベッドの上で漏らしたくはない(痛みで出しそうにはなってるが……)。

「……うぅ」

 行くか。決意で拳を作り、部屋を出る。

 家の増築で2階にトイレを作ってくれたのはよかった。階段なんて降りれる気がしない。

「はぁ……」

 トイレに入り、便座に座る。

 この頃には痛みはだいぶ和らいでた。

 もう漏らす心配はないと、一呼吸からのーー、

「あれ?」

 困惑。

「……?」

 掴むべきものが股間になかった。代わりにあるのは、穴。

 

 知らない穴がついてた。


「えっ?」

 どういうこと? 去勢された?

 いやいやいや……誰がそんな酷いことをするんだ。確かにさ、お母さんたちに女の子が欲しかったって言われることはあるけどもさ! 

 去勢して強制的に女の子にするってことはないと思う(思いたい)!

 はてなが頭を駆け巡ると、不思議に思うところがたくさんと見えてきた。なんか小さくなってる。デブに近かった体型が一回り小さい。子どもともいえそうなくらい小さい気がする!

 疑問は浮かびに浮かんだが、尿がそれを許してくれない。

 慣れない身体の排尿は大変だったが、そんなことを気にしてる場合じゃない。

 お風呂場に急いで向かい、パジャマと下着を脱ぎ捨てて鏡を見る(いや、容姿は既にチラ見してたけど)。

「……うん」

 誰。知らない可愛い子が全裸で立ってた。

 これは胸だよね。少しだけど、膨らんでた。もんでみると、意外に柔らかくてなんかチクリとした。お股にはやはりあるべき象徴がなかった。女の子の割れ目なんてはじめてみた。

 どうしよう、どうしよう、どうしょう。

 しゃがみこんで、思考を開始する。答えはでない。でるほうがおかしい!

「……」

 とりあえず服を着てから、お母さんたちに聞いてみるしかない。

 それで答えが出ることはきっとないだろうけど、もしかしたら病院に行かなくちゃいけないかもしれないし……そうして、リビングへ向かった。

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