ネコの夜

酸性雨

第1話 人間の心情

 ネコの夜は、独特な雰囲気を匂わせる。猫たちはそれぞれの色を持っていて、自分の世界を満喫する。

 例えば野良猫は夜の街並みを街頭の光を頼りにねり歩いたり、神社などの下で星空を眺めてはあの光は何だろう。と小首をかしげて、その小さな頭で考え事をする。 またある時は、猫が集まる広場で集会を開いて情報交換を行ったりするのだ。

 家で完全室内飼いを強いられている猫は外の世界に憧れ、窓を覗きこんだりあり余った体力を部屋中を駆け巡って発散させる。少なくとも、私の家の猫達はそうである。そして、私は猫の夜のよき理解者であった。すべてを猫に捧げる覚悟で猫を飼った。猫にとって快適な環境をつくり、猫に異常がないか常にチェックを欠かさなかった。猫のために人生を捧げていくというのだから、名誉くらい貰っても悪くはないはずだ。

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