第3話 鬼鬼鬼鬼鬼鬼鬼

「うあああああ、なんかきたぞおおおお」

「お、お頭に報告だあああああ」

「てか全員同じかおおおおおおお」

「奴隷たちを逃がすなああああ」

「あいつらを殺せえええええ」


 僕は尋常ならぬ形相をした鬼達を追いかけまわしている。

 鬼ごっこして鬼を追いかけるってすげーストレス発散になる。


 だがそれは唐突に終わった。


 僕の分身が転んで消滅した。


「あ、あいつ転んで死んだぞ」

「雑魚やないかあああ」

「こ、ころせえええええ」

「あふぉkfjdさfjl;d」


「最後の奴何言ったんだああああ」


「分身たち整列」


 僕が大きな声を上げると、分身たちが整列してくれた。


 そして僕は彼等を盾にして突っ込んだ。


「やることがえげつないですね勇者」


「ベルゼブブに言われたかねーよ」


「俺様はいくら蠅がいっぱいいても同胞を犠牲にはしませんよ」


「てことは僕はベルゼブブ以下かよ」


「お気づきでよろしいかと」


「そだ。蠅の翼を差し上げますよ」


「いらねーよ」


「あ、送っちゃった」


「いつか覚えてろよ」


 僕の背中には巨大な蠅の翼が出現した。

 四方に僕が蠅のようにとちくるってる中で、僕は壁にした分身たちを突撃させていた。

 最後の分身が消滅すると、剣を構えて飛翔しながら鬼を片端から倒し続けた。

 鬼はとても簡単に倒せる。

 まるで人間を殺しているような錯覚を覚えてしまうが、気づけば楽しいものだった。


 きっとスキル快楽殺人鬼が発動しているからだろう。

 鬼の数は10億、王国は広すぎて探して殺すのが面倒だし、奴隷達は悲鳴を上げて逃げまとう。


 彼等は元々地上にいてお亡くなりになって地獄へ行った人達なのだろう。

 

「これだとどっちが鬼かわからんな」


「ベルゼブブが言いますか」


 そう言いながら鬼を両断している僕はやばい奴なのかもしれない。

 もちろんおばはん構えではあるが。


 

 5億人の鬼を殺害した頃になると、お頭と呼ばれる巨大な鬼が出てきた。

 赤鬼と青鬼で、赤鬼は巨大な刀を装備している。青鬼は巨大な棍棒を装備しちる。

 鋭い視線でこちら見て、ゆっくりと構えている。



「お前は人間なのか?」


「人間だと思いますよ赤鬼さん」


「人間がレベル800の我らを殺せるはずがない」


「えと、皆さん雑魚ですね」


「信じられん、お前は魔王か」


「いえ、その逆です」


「閻魔か」


「なぜそうなるんですか、もうちょっと考えてくださいよ」



 赤鬼と青鬼がじっくりと考えてる中。



「あ、めんどくさいですし、死んでください」


 

 俊足スピードで動いて赤鬼と青鬼の首を両断していた。もちろんおばはん構えでだ。


「お前鬼だろ」

「いえ、鬼は彼等ですよ」


「いや、鬼が考えてるときに殺すって、やべーなお前」

「何を言いますか、隙を見せる相手が悪いんですよ」


「お前さ、どんどん魔王っぽくなってるぞ」

「いえ、最弱の勇者らしいですよ、さてお掃除しますか」


 それから2年間鬼を追いかけまわして全滅させた。

 奴隷達は鬼の王国で国を作り始めた。

 民主制の国を立ち上げ、地獄界の王国を気づき上げていくそうだ。


 僕はとりあえずめんどくさいので、鬼の城から脱出してまた冒険を始める。

 それから数年が経過し、トータルで50年が経過している気がする。

 現実で過ごしたら65歳くらいのしわくちゃ爺になってるだろうに、今の僕はお肌ぴちぴちに男の子です。


 いつしかベルゼブブからサタンに切替わりつつ。


「それで、今のレベルが18997レベルって所か、まだまだ雑魚だぜ」


「そうか、地獄界を牛耳るにはまだはやいですかサタン」


「おめーは何やろうとしてんだよ、地上に戻ってひゃはーすんだろ」


「このレベルだと地上に出たら魔王一直線かと」


「いいじゃねーか勇者魔王なんてかっこいいじゃねーか、その時はこの俺様がサタンとして人類滅ぼしてやるからな」


「それを止めようと思うんだが」


「無理無理、このサタンには勝てねーぜ」


「そうですよね、さて、次の目的地は」


「巨人達の花園だな」


「それはなんですか」


【マップを更新します。巨人達の花園へようこそ】


「どうやらたどり着いたみたいだな」


 そこに広がっていたのは無数にある巨大すぎるお花達であった。

 1つの花びらで城くらいの大きさがある。


 そこに1体の巨人がいる。


「そそ、巨人は今世界各地にいるんだが、花園系列で花園を守ってる。巨人達はお花が大好きなんだ」


「なんだかメルヘンチックですね」


「うんうん、それで、あの巨人を殺せ」


「あそこでほんわかして幸せそうな巨人を殺すのって悪者くらいでしょ」


「そうだ、お前は勇者だ悪者だ」


「いえ、サタンからしたら僕は悪者だろうけど、なんかちがくね?」


「いいから殺せ、レベルがかなり上がるぞ、あとあいつらバカだから」


「バカにバカだからって言われる気持ちってどうなんでしょう」


「るせー、ここではあいつだな、でっかいドラゴン想像しろ」


「はいはい、またあれですね」


 想像していくと、またサタンの剣が囁く。


「まったくどうしてくれるのよんーお化粧してないでしょうん、俺様はレヴィヤタンよん」


「よろしくお願いします」


「まずはドラゴンと同化ね、ほいほい」


「うそでしょおおおお」


 全身が光輝き、次の瞬間には体が巨大なドラゴンそのものになっていた。

 空気中の何かを分解して体に水を纏わせることが出来る。



 自分の体は巨大化しており、巨人の二回り小さい感じだ。


 巨人は大きな瞳を開けると、こちらを見て咆哮を発して突撃してきた。


「きいてないよおおおお」


 僕の悲鳴が辺りを支配した。

 なぜならドラゴンの姿となり声が大きくなってるからだ。

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最弱勇者なので地獄へ追放されました~地獄から這い上がる勇者伝説~ MIZAWA @MIZAWA

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