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なんだいなんだい、こんなちびっこがお客とは、ウチの店も落ちぶれたもんだね。
え? なんで猫がしゃべってるのかって? あんた、使い魔って言葉を知らないのかい? 魔女とくれば使い魔、これは常識だろう?
なんだって? 魔女の使い魔は黒猫なんじゃないかって? いやだねえ、年寄りみたいなこと言って。今や使い魔も多様化の時代さ。アタシみたいな白猫なんてありふれた方。イタチやらカバやらを使い魔にしてる魔女もいるってんだから、世も末だねまったく。
話が逸れてるって? うるさいね、ここからが本番さ。
ああ、確かにアタシは白猫だ。頭のてっぺんから尻尾の先まで真っ白だろう? だからラヴィーナはアタシにペルルという名前をくれた。遠い国の言葉で「真珠」って意味なんだとさ。
……可愛い名前だって? いやだね、照れるじゃないか。褒めたって何も出ないんだからね!
その代わりに、ひとつ面白い話でもしてあげようじゃないか。
ラヴィーナが魔女として名を馳せる前、それこそあんたみたいな、年端も行かない女の子だった頃の話さ。
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