蜜柑の現状
「ところで蜜柑?」
ふと疑問に思ったことをがあったので聞いてみる。
「なんですか?」
「今服ってどうなってんの?」
そう服、
今蜜柑は霊体のはず、死んだ時の服装とか、思い入れのある服装とか、そこらへんどうなっているのだろうかと疑問に思ったのだ。
見えないから余計に気になるというか……ぶっちゃけ全裸とかだったら変な想像をしていまいそう……という変な考えが溢れてつい本人に聞いてしまった。
「服……ですか?」
何かを確認したようで、一瞬の間の後、
「どうなってると……思いますか?」
耳元で囁かれた。
「うひゃあ‼︎だからいちいち背後に回って耳元で囁くのはやめらと言ってるだろ‼︎」
何度も何度も人を驚かせて、
こちらは蜜柑の姿が見えないし、生活音的なのも声以外は何も聞こえないのだから、黙って背後に回られても全く気付けないのだ。
いちいち心臓に悪いからこの手のドッキリで驚かせるのはやめてほしい。
「あははは‼︎……ってべつに背後からじゃないですよ?」
「えっ……?」
「正面から先輩に跨って、今にもキスしてしまいそうな所にいます」
たしかに、
めちゃくちゃ密着したところから声が聞こえてくる。
「――って、それもやめてくれ‼︎なんか変な想像しちゃうから‼︎」
あの蜜柑が今僕と密着した状態で、今にもキスしてしまいそうな所にいるなんて想像しただけで顔が熱くなる。
……別の意味で心臓に悪い。
「ちなみに全裸です。服は着てないですね.下着すらつけてません」
「ついでみたいにサラッと言うな‼︎年頃の女の子が男の部屋でなんで格好してるんですか‼︎やめなさい‼︎」
「え〜、そう言われましても、私最初からこの格好ですし……」
めちゃくちゃ嬉しそうに不満を言う蜜柑。
……というか、
「そういえば先輩」
「……なんだよ?」
「私、先輩に跨がれてますね……」
「え…………」
ゾッ……
……背筋に悪寒が走るなんて、生まれてこの方初めての経験をした。
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