第26話
「るみか様、少し上の空のようですが、お疲れですか?」
「ううん、大丈夫」
「そうですか、しかし、今夜は早くお休みになられたほうが
よろしいかと」
「そうね、早めにねるわ」
モーブには少し罪悪感を覚えた。
でも、このくらいの罪悪感ぐらい乗り越えなくてはいけない、
玲の庭からサクラ実とスズ草を取る。
これは立派な盗みだ。
「モーブはもう寝た、よね」
眠る振りをして部屋を飛び出した。
昼間もそうだったが、夜の屋敷は静寂に包まれ、
廃墟同然だ。
「サクラ実とスズ草を取ってこないと」
駆け足で廊下を渡りながら頭にサクラ実とスズ草を強くイメージする。
「中庭から見よう」
中庭は、世界が変わったかのように華聯だ。
ほのかに花々の匂いがする。
「見たことない植物ばっかりだな」
生える植物はうちの近所とまるっきり違うみたいだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます