まわるコーヒーカップ、止まるメリーゴーランド

宙月 霙

第1話

私は、自分でいうのはあれだが、偽りの塊だと思う。

今日も母に好かれるように早く起きて勉強し、学校へ行った。

先生に好かれるように一生懸命に授業に参加し、宿題を誰よりも時間をかけて取り組んだ。進んで発表もした。

クラスメイトに好かれるように給食のプリンもハンバーグもナポリタンも残した。

痛くても、辛くても、笑顔を張り付けた。みんな嫌いな鬼ごっこの鬼も私が全部する、全ては嫌われないために。

そんな努力も

報われていると、みんな嫌わないでいると、信じていた。

でも、ある日聞いてしまった。

「みるかちゃんの事正直どう思う?」

「怖くない?何考えてるか分からないというか」

「だよね、みんなに合わせてる感じだよね」

聞きたくなかった。陰口なんて、私は一体どうすれば嫌われないのだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る