第2話

そんな私にも一つだけ生きがいがある、

まあ、最近よく聞くいわゆる推しだ。

アイドル、歌い手、アニメキャラ、推しなんて人それぞれだが、私の推しはゲーム実況者のムルくんだ。

歌い手よりも歌が上手で、アイドルよりも顔がよくて、芸能人よりも話が面白い

世界一の自慢の推しだ。

私は彼が有名になる前から知っていた。そのおかげもあるのか、

私を認知してくれた。

親に冷たい目で見られてもやめられない有一のものでもある。

そんなある日、悲劇が起きた。

『大人気ムル氏、暴力で逮捕』

「噓でしょ、、、」

「るみか、勉強しなさい、そういう時こそ勉強よ」

一緒にニュースを見ていた母がそう言ってきた。

うちの母は毎日が勉強日和だ。

「そんな奴嫌いになって、勉強して、テストで百点よ、

次も九十三点取ったらお仕置きとしてご飯なしよ」

「うん、わかった」

また愛想笑いをした。

愛想笑いをするたび、心が重くなった。

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