軍艦魔王

そこは、○オ○レスの一角。

レオハ○レスとは名ばかりであり、

普通に君臨してそうな魔王城。

四天王は二人になり、魔王はいつもの笑みはなく、真剣な表情だ。

「会議を始める。」

魔王の声にて、四天王二人は引き締まる。

「わかっていると思うが、四天王のバッツ、ベリアルが行方不明。プリンたちも同様に不明。わかっていたのはその双方が争っていたこと。」

ヒューカ、アサガオ共に捜査はしたが見つからなかった。

「あの冒険者達と何があったんだ…」

魔王アビスは自力で見つけだしたのだが。

「ああ、そこでだな…」

魔王は何かを取りだし、見せてくる。

「こんなものがあった。」

持ち出したのは、動物の羽、爪、牙だった。一見何も無いように見えるが、実際触っても何も無い。

「それとなんか白い板、これは関係ないと思うから持ち物に入れとく。」

「ええええ?何これ…なんの動物?」

「動物かも分からない、でも、」

「現場にあった、何かの力を感じる。これの研究を進めたい。」

「アビス様が言うなら従うけど…」

「…何かある、そう信じている。」

完全に虚勢であった。が、

王としての役目でもあった。

……………………………………………………

いつもは集わないはずの三柱が、

互いの空間を汚されることを許さぬ三柱が、創造神の空間に揃っていた。

時神ディアルガ空神パルキア。》

時神ディアルガと呼ばれた者はたんたんと報告する。

《時間、ギンガ団は順調。ですが、ギラティナが反抗に出ました。》

《成程、あの子が。》

もう一つの空神パルキアという神は、少し声を荒らげて話す。

《こっちは異常有り、空間は良いとして、シンジュ教のノボリが居なくなった、テンガン山でな。》

《あと、カンナギ監獄から、脱走犯だ。》

《…ほう、詳しく教えなさい。》

《逃げたのはイイツ、ショウ、トド、どれもプレートを狙う反逆者で、偽名の可能性がある。》

《どうせ顔も変わっているか…宜しい、二人とも、去りなさい。》

時神ディアルガは不満そうに言う。

《変わってしまったのは、貴方もですよ。》

《…行くぞ時神ディアルガ。》

創造神アルセウスは、ただ笑う

《おや、私は変わっていませんが》

…………………………………………………

一人と一匹はこちらを見て、気づいたみたいだ。それは旅の仲間で、俺が生み出した創作物達で…

久しぶりの再会、こりゃ涙が止まらねえ。

「まさかお前…プリン!生きてたのか!良かった、本当に…」

こんなにも心配されていたとは、生きていてよかった、と照れくさいが思った。

「ウオオオオッ!プリイイイイイン!」

「ミイイイイイ!?」

近くにいたミーが騒ぐが、ギルティがなんとかなだめる。というか反転世界に入れてる。

(お前の咆哮はシャレにならん。)

「にしても結構早く会えたな。」

「…面識があるんですか?」

「ちょっとね」

《良かった、セーフだな》

「アイト達も、無事でよかった。」

「この世界から頑張って抜け出そう」

そう言ったら、アイトは急に俯いて喋る。

「…悪い、全く情報はなかった。」

「ああ、その点に対しては大丈夫…でも今はやめとこう、団員の仕事が終わったらまたここに来てくれ。」

「…そうだプリン、その人は?」

ノボリの方を向いて言うので、面識がなかったのだろう。

「この人はノボリ、俺を助けてくれた人だ。」

(練っててよかった。)

「そうか…本当に、本当に…ありがとう、ノボリさん。」

「いえ、当たり前のことですので。」

「アイト、ウィンはギンガ団になったのか?すげーな。」

「ん?プリンはギンガ団に入らねえのか?えりも居るぞ」

「え、怖いし。あとエリいるし」

「はは、冒険者やってたくせに」

そう雑談していると、アイト達の持っていた携帯が鳴る。

〈アイト!応答せよ!〉

「ああ、すみませんコウさん。不審な二人組は…」

こちらを見てきたので、ウィンクで伝える。

「逃してしまいました。」

何とか伝わった、これで追われでもしたら、俺たちの冒険は即詰みだったな。

〈そうか、君たちが無事なら良い。あと渡されたこの機械よくわかんないから後で教えて。〉

「はい。」

電話は終わったみたいだ。

「じゃあ、一旦ベースキャンプに戻る。仕事が終わったらまたな。」

「おう、ってかそのダサい機械なに?」

「神様から貰った。エリも持ってるぞ、全員に配られたからウィンのは上官に差し上げた。」

「ああマジで軍に染められてんな。」

「訓練期間が…す、すまん、早く帰らなきゃ…」

アイトとウィンは嫌なことを思い出した、という顔をしながらベースキャンプに帰った。

……………………………………………………

「もう喋ってもいいでしゅか?」

《ああごめん、いいよ》

「全くいきなり…」

「プリンさま」

ノボリは正しく、純粋だ。

だからこそ、疑問はちゃんと言う。

「…彼らとの関係は?」

「そんなちゃんとしてて俺嬉しいよ…そうだな、この世界に来る前の、友…、友かな。」

「本当に?」

道は正しく行くべき、そう思っているんだ。俺があまり気に食わないのだろうか。

「本当だよ、それに…嘘でも、道は同じだ。」

「あの契約、忘れていませんね」

「進めば進むほどクダリの情報を出せばいいんだよね。」

《本来の目的を見失うな》

「…勿論」

「絶対に俺達はアルセウスを…」


《反逆の使徒を》「四天王二人バッツとベリアルを」


「見つけ出す」「ぶっ殺す」

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