銀の道
飛辺基之(とべ もとゆき)
1
『アフリカの文化』というタイトルだ。
フロベニウスの著作を紹介したその書物によると、かつて中世、アフリカには発達した文化があった。
海を航海する船乗りが見つけたという。
街路樹が続く道。
一日中歩いても続く実り豊かな畑。
そこに住むアフリカの住民は様々な衣装をまとっていた。
中世アフリカにそんな優れた文化があったのだ。
僕が高校の『倫理・社会』で和辻哲郎を学び、一番町の古本屋で著作集を漁っていて、その『アフリカの文化』を見つけた時、すごく興味深く、面白く、印象に残った。
そして、幼い頃に亡くなった親父が言っていた不思議な言葉を思い出した。
「
時は昭和52年。
僕はまだ小学2年生だった。
意味など考えもしなかった。
別に愛宕橋の道が金でも銀でも良かった。
僕はその頃は、まだ全く興味が持てなかった。
その意味は、遥かに時間が過ぎた二十歳の時に分かる事になったのだった。
━━━━━
その昭和52年。
僕はよく
その細い道からは、遠くの工場のものだろうか?いわゆるお化け煙突みたいなものも見えていた。
初夏の青空の下で、真冬の青空の下で、僕は光に包まれて歩いていた。
二十歳で過労に倒れた僕は、その数々の銀の道で息をついて生きてきた。
(つづく)
銀の道 飛辺基之(とべ もとゆき) @Mototobe
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