特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし

メディチ家の母娘

第1話 目の前に現れたヒーロー

 俺・鷹取晴翔たかとりはるとは死んだ。陸上自衛隊所属の特殊部隊として活動していた俺は、降下訓練中に、パラシュートが開かなくて、そのまま猛スピードで地面に突っ込んで、あえなく命を失った。


 だけど、後悔はしない。6年前に父も同じく訓練で亡くなり、それを悲しむお母さんも4年前に病死した今の俺にとって守るべき存在はもういないから。


 俺によくしてくれた心優しい友人や親戚には申し訳ないが、俺はスッキリしている。家に帰ると、俺を歓迎してくれる存在はおらず、ずっと一人の人生を歩んできたから。


 おそらくこの死は、俺にとって救いなのかもしれない。使い道のない俺を慈しんだ神様が、俺に「死」という安らぎを与えてくれたのだろう。死後に何が待っているのかはわからない。輪廻転生か、天国か地獄か、無か。今となってはどちらでも構わない。


 もうこのを捨てることができるから。


 そう思った瞬間、俺は真っ白な光に吸い込まれた。すると、目の前には二つの翼を持つ天使が俺を優しく見つめていた。


「晴翔くん」

「?」

「あなたには特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる召喚魔法を与えてあげるわ」

「召喚魔法?」

「じゃね〜」

「え?ちょ、ちょっと……話、理解できませんけど……召喚魔法って異世界モノとかに登場するあの定番スキル?」

「ふふふ」


 だが天使さんは何も答えてくれないまま、俺に優しく手を振ってくれた。話が早すぎるだろ……


X X X


 リンスター女公爵・メディチ家の邸宅


 俺は勤務時間が終われば、同僚たちと異世界モノの書籍やアニメを見てきたため、ある程度予備知識は持っているつもりだ。要するに、俺は異世界に転生したということだろう。


 普通は冒険者の街に転生するのがほとんどだが、俺がいるこの空間は、とても暗くて、柔らかい感触がして、いい香りが鼻をくすぐる。おそらく女性のクローゼットの中にいるようだ。


 そして、外からは



「うっへへ……さすがメディチ家の女たちは格が違うな!」

「やっぱりラオデキヤ王国屈指の美人と言われるだけのことはあるね。母も娘二人も……ははは」


 気持ちの悪い笑い声を漏らす男二人。これはただごとではない。良からぬことが起きようとしている。


 なので、俺はドアの隙間から外の様子を窺った。


 ピンク色の髪をしたとても美しい女性3人が手に手錠をかけられた状態で、這いつくばっている。


「あなたたち……私は女公爵よ!こんなことして……許されるとでも思いますか?」

 

 3人の女性のうち母と思われる美女が寝そべった状態で覆面を被った二人の男性を睨みながら問うた。正直見た目だけでいうと、あの二人の姉と言った方が正しい気がする。


「あははは!そりゃただでは済まされないだろうよ。でも、今この場において、お前たちは俺たちになんの抵抗もできない」

「魔法が使えないようにする『魔法無効化手錠』をかけられてるからな!この邸宅は俺たちと部下たちによって完全に占領された!うっへへ」

「……」


 唇を噛み締めて、男二人に殺意を向ける母と思しき美女。


「助けを呼んでも無駄だぞ!なぜなら、王宮警察や他の兵士たちがここにきた頃には、あの美しいお前の娘二人はを失っているから」

「や、やめなさい!そんなこと……絶対許さないから!この外道!」


 母は、足をバタバタさせて抵抗しているが、あの男二人からしてみれば無駄な足掻きだ。


「怖いね〜もし『魔法無効化手錠』がなかったら、俺たちひとたまりもないんだろうね〜うっへへ」

「あ、見て見て、あの胸、めっちゃ揺れてるんだけど」

「あはは!凄い胸だ。『さわってください〜』と俺たちを誘っているぜ!」

「だったら揉むしかないだろ!」


 と、男二人はほくそ笑んで、母と思われる美女の胸に手を滑らせ、揉む。


「っ!……」

「やっば……すっげやわらけ」

「まさかメディチ家の女公爵・アニエスの胸に触れる日が来るなんて……」

「胸を触ること以外にも色々やるからよ……ふっへへ」

「あははは!」


 その瞬間、


「その手を離せ!」

「え?」

「お?」


 母に悪いことをしようとする二人に待ったをかけたのは、隣にいた髪の長い女の子(姉)。


「お母様から離れろ!」

「え?じゃ、お前を犯しても良い訳?」

「……そうしなさい。その代わりにお母様とカロルには手を出さないで!」


 そう言われた男二人は、気持ち悪い笑いを浮かべてから、アニエスさんから離れた。そして、


「うっへへ……自分の身を犠牲にして、母と妹を守ろうとしているのか?これはこれは……律儀な子だね」

「ははは!ますます燃えあがっちゃうな!」


 だがアニエスさんは


「娘二人には手を出さないで!アリスとカロルは私の命より大切な存在よ!だから……私を犯しなさい……」


 すると、比較的髪の短い女の子(妹)が口を開く。


「ママ……っ!私を犯しなさい……その代わりにママとアリス姉様には指一本触れないで!」


 3人の婦女子の言葉を聞いた覆面を被った男二人は、一瞬驚いた。だが、やがてお互いを見つめ合って頷いてから、汚い笑いをしながら、返事をする。


「だったら3人とも仲良く犯してやる」

「だったら3人とも仲良く犯してやる」


 そう言って、男二人は、美人姉妹のいるとこに移動し、それぞれ覆いかぶさって、


 その大きい胸を揉んだ。


「いや……やっぱり……男はみんなクソ野郎どもだ!」

「アリスお姉様……離せ……離しなさい!!」


 二人の姉妹は、そう言って男たちを膝で蹴り上げる。だけど、華奢な女の子の抵抗など、あの二人からしてみれば愛嬌レベルにすぎない。


「大人しくしろよ!このあまが!」

「っ!」

「抵抗すればするほど、もっと痛い目に遭うからよ!」

「きゃっ!」

 

 男たちは姉妹を押さえつけて強引に服を脱がせようとした。


 すると、実に豊満な胸をつつむ下着と白い肌が現れた。それを見た二人は口を半開きにし、その膨らみに手を近づける。


「い、嫌だ……許して……私はリンスターの爵位を継ぐものよ……処女を奪われたら……いや……いや……」


 アリスは諦念めいた表情を浮かべ、涙を流しながら言った。


「男は……みんな死んでしまえ……最悪だわ……こんな奴らに処女を奪われるなんて……」


 妹と思われるカロルの目もすでに赤い。


「二人とも……やめなさい!!ん!この!この!」


 母であるアニエスさんが、かけられた手錠を動かして解こうとする。が、アリスに覆いかぶさっている男が、刃物を投げて、それがアニエスさんの頭のすぐそばに突き刺さる。


「大人しくしろよ!苦しみにもがきながら死にたいのか?」

「っ!」

 

 鋭い刃物は、光を反射し、アニエスさんの目を照らしている。それと同時に、彼女の体は震えていた。


男たちは再び、アリスとカロルに視線を向け、口角を吊り上げ、手を胸のところにまた近づけている。


 姉妹は、この悲惨な現実を受け入れたくないのか、泣きながら目を瞑った。


 その瞬間、俺の枯れ果てた心に何かが芽生えた。


 その芽生え始めた存在がなんなのかは知らないが、気づくと






 俺は、クローゼットから出て、男二人を睨んでいた。


「な、なんだこれは!?」

「み、見たことのない服装……ていうか、その顔はなんだ!?」


 そう。俺は訓練を受けた時と同じ服装をしている。いわゆる武装状態。ヘルメット、迷彩色のドーランが塗られた顔、特殊部隊用の軍服に防弾チョッキ。そして、手に握られたSMG(短機関銃)。


 ここはおそらく時代的に中世ヨーロッパ。魔法は存在するが、こんな最先端技術を駆使して作られた武器や防具は見たことがないだろう。


 さあ、これから目の前の覆面男二人をしよう。






追記



 みなさんこんにちは。なるとしです!


 いつものペースでアップロードしていきますので


 よろしくお願いします!


(これは果たして異世界ファンタジーなのかそれともラブコメなのか……非常に悩ましい問題なのですが、メインとなるのは「重い愛」なのでラブコメにしました)

 

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