第17話 睡眠薬

「最近なかなか眠れなくて……」


 私は今、友達の相談に乗っている。

 なんでも、一週間ほど前から眠れないようなのだ。

 運のいいことに、私も最近同じ悩みを抱えていた。


「これを貸してあげるわ。強力な睡眠薬よ。すぐに眠れるわ。」


 私はそう言って、小さな小瓶を差し出した。


「ありがとう。使ってみるね。」


 彼女は笑顔でそれを受け取る。

 私は心の中でほくそ笑んだ。

 私と彼女は別れ、私は彼女があの薬を使うのを楽しみに待った。


「私の彼氏さえ盗らなければ、命は助けたのにね……」


 そう言って私は本当の睡眠薬をカバンにしまった。



 

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