第16話 ずーっとイッショ♡

一目見た時から、彼がずっと好きだった。

長年の片思いのおかげか、告白をした私は、晴れて付き合うことになった。

だけど私は嫉妬深い性格なようで、彼が他の女と喋っているだけで嫉妬してしまう。

彼は優しくて、こんなにうざい私を愛してくれている。

なんなら、可愛いと言って喜んでくれるほどだった。

私は彼におぼれた。

好きで、好きで、たまらない。

だけど、そんな幸せ絶頂の私に、不幸が舞い降りた。

私は、交通事故に遭った。

病院に着いたときは手遅れで、すでに亡くなってしまったようだ。

私は死ぬ間際、母さんに遺言を残した。

メールを見た母さんは、その遺言を叶えてくれた。

彼に毎日おいしいご飯を食べさせてあげてほしい。

そう残した私に母さんは答えてくれる。

今日も毎日、おいしい料理を彼に出してあげる母さんは、絶対に天国から見守るから。

私はそう誓った。




俺は知っている。

死んだ彼女が残した遺言の内容を。

死んだ自分の肉を、俺に食べさせること。

だけど俺は構わない。

こうして彼女とエイエンになれるのなら。

「ごちそうさまでした。今日も美味しかったです。」

そう言って俺は箸を置く。

俺は満足げに腹をさすった。

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