第16話 ずーっとイッショ♡
一目見た時から、彼がずっと好きだった。
長年の片思いのおかげか、告白をした私は、晴れて付き合うことになった。
だけど私は嫉妬深い性格なようで、彼が他の女と喋っているだけで嫉妬してしまう。
彼は優しくて、こんなにうざい私を愛してくれている。
なんなら、可愛いと言って喜んでくれるほどだった。
私は彼におぼれた。
好きで、好きで、たまらない。
だけど、そんな幸せ絶頂の私に、不幸が舞い降りた。
私は、交通事故に遭った。
病院に着いたときは手遅れで、すでに亡くなってしまったようだ。
私は死ぬ間際、母さんに遺言を残した。
メールを見た母さんは、その遺言を叶えてくれた。
彼に毎日おいしいご飯を食べさせてあげてほしい。
そう残した私に母さんは答えてくれる。
今日も毎日、おいしい料理を彼に出してあげる母さんは、絶対に天国から見守るから。
私はそう誓った。
俺は知っている。
死んだ彼女が残した遺言の内容を。
死んだ自分の肉を、俺に食べさせること。
だけど俺は構わない。
こうして彼女とエイエンになれるのなら。
「ごちそうさまでした。今日も美味しかったです。」
そう言って俺は箸を置く。
俺は満足げに腹をさすった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます