第二章 五人の軍隊
1 幕間・かつて
焔の向こうから、次々と人影があらわれる。
右手に銃や刀、左手に首。口元には高笑い。
若い男が引きずられてくる。血を流している。
燃えさかる炎のゆらめきから、ひときわ背の高い男がやって来る。
背の高い男は、這いつくばる若者を見下ろすように立ち止まった。
口を動かし、唾を吐き捨てる。舌で唇を湿らせ、笑みを浮かべる。
若者は喚いている。
背の高い男が、おもむろに拳銃を抜く。
銃口は、若者を向いている。
撃鉄が、ゆっくりと絞られてゆく。
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