第3話 大泥棒オッペケペー四たび現る

お嬢さん、不審者が入ってきたらしいですね


はい…


詳しい話を聞かせて下さい


はい、ここで本を読んでいました、すると窓から男が…


男が何かしましたか


歌いながら部屋を通り抜けていきました


どんな歌だったか、覚えてますか


はい、「オッペケペ、オッペケぺッポ、ペッポーポー」、こんな感じです…



因みに読まれていた本は何ですか


「大泥棒ホッツェンプロッツ三たびあらわる」です



やっぱりか…


銭形ぜにがたの親分さん、やっぱりってどういう事ですの



お嬢さん、お嬢さんで4度目です。奴はオッペケペー節を歌いながら家に入る、そして何故かその家には大泥棒ホッツェンプロッツシリーズがある、そして盗む


親分さん、私何も盗まれていませんわ


いや、奴は盗んだ


何をです?



貴女あなたです


えっ



お嬢さん、そっと目を閉じてみて下さい


はい…



今、貴女の頭ん中、オッペケペーでぐるぐる回っていませんか


はい、余韻で頭の中が一杯です…



そう奴が盗んだのは貴女の雑念。そう、これは言わば洗脳です



 

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