第4話 非日常な出来事と合わない2人
「どういう事なんですか!?」
そう響の姿で訴えるように言う四季
「そんな事言われても……」
そう四季の姿で気まずそうに返す響
「なんでそんなに可愛くなってるんですか!……なんか自分の事言ってるって思うと自画自賛してるみたいで複雑な気分です……」
「急にそんな冷静にならないでよ、ってかそっちなんだ、普通今入れ替わってる超常現象についてのことじゃないの!?」
話のズレに驚く響に反してため息を付いている四季
二人は購買で買ったパンを食べながら、事故防止のため高い柵に覆われた屋上のベンチに、人一人分のスペースを離して座って話をしていた。
「そうですね、今はそっちでした。でも私の身体を勝手に弄ったことは忘れませんからね、後できっちり話を聞かせてもらいます」
「はいはい、それでなんでこんなことになったか心当たりはある?ちなみに俺はない」
「ないです」
四季は首を横に振りながら答えている。
この超常現象は一体なんなのか、なぜ起こってしまったのか、さらになぜ俺と四季なのか、分からないことが多すぎる。正直誰かに相談したい。だけど残念ながらきっと信じてもらえないだろう。信じてもらえたとして何もできない人が二人から三人へと増えていくだけだろう。
「解決策は分からない以上目先の問題に取り掛かろうか、学校生活と家庭での話とかこれからの方針とか決めないと」
「そうですね、とりあいずこの昼休みの間に学校生活のことだけでも話しましょう。あ、私の制服のここに……」
そう言って響の(正確には四季のだが)カーディガンの右側のポケットに手を突っ込み「ん?あっ、反対だった」と言い反対のポケットに手を入れ手帳を取り出す。
「これに学校生活の注意とかを書きましょう。先輩の分は書いたら破って渡すので」
「了解、じゃあそっちの方の問題から話そう、とりあいず今日の午前は大丈夫だった?」
そう言い、お互いの午前の出来事困ったことなど対策を話し始めた。
「とりあいず、こんな感じでオッケーかな、もっと細かいところは放課後話そう」
二人はよく関わる人物への対応とある程度の方針を決めた。
「そういえば私今日の朝委員会の仕事があったはずですけど、担当の先生、サボると教室まで説教しに来るはずですけど大丈夫ですか?」
「あーそれはその……すまん実は遅刻しちゃって……あはは」
四季の顔で引き攣った笑顔で目を逸らしながらそう言う響
「えっと遅刻は構いませんけど、こんな現実じゃあり得ないことが起きたんですから、で理由はなんですか?」
「えっと漏らs……じゃなくて、セットに夢ちゅ……でもなくて迷子になっちゃって」
「迷子?あ!そっか先輩私の家来たことないから!え、でもスマホのマップアプリで調べれば良かったんじゃないですか?」
「パスワードが分からないから開かないんだよ、指紋認証とか顔認証の可能性も考えたけどダメだったし」
スマホのホーム画面に親指を当てながら答える響
「えっと……人差し指です」
少し気まずそうに右手の人差し指を出しながらそう言った。
響は「え!?」と驚きながらホーム画面に人差し指を置くとスマホのロックは解除された。
「………」
「………」
数秒の沈黙
「なんでよ!普通親指じゃないの!?操作する指って親指じゃん、人差し指だと片手で持つ時とか不便じゃんか!」
「そ、そんなこと言われても、私手が小さいから片手でも持つと指がスマホの反対側に届かなくなっちゃうから両手なんですよ、女子だとこっちの人も多いと思いますよ!」
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