もしメンヘラなかぐや姫がいたら竹取物語は成立していなかった説

れもん

第1話 プロローグ

あるところにおじいさんとおばあさんがいました。


といってもおじいさんは60歳、おばあさんは45歳と今でいう年の差婚です。

二人はこの間銀婚式を迎えたばかりですが子供はいません。なぜなら夫婦共働きだったからです。若いころ仕事にいそしむ二人には子供を作り、育てる時間も気力もなかったのです。


そんなこんなでおじいさんも定年退職をして専業主夫となったのでした。

暇になったおじいさんは気分転換に近くの山へ散歩に行くのが日課です。

人気のないその散歩道は毎日満員電車で35年、人にもまれながら会社に通い続けたおじいさんにとってのような場所でした。


ある日のことでした。いつものようにおじいさんが散歩道を歩いていたら一本だけ異様に光っている竹を見つけたのです。

普段穏便なおじいさんですが、何を思ったのかその中身を無性に見たくなり竹を割りました。すると中からかわいらしい女の子が出てくるではないですか。驚いたおじいさんは去年なったぎっくり腰が再発しそうになりました。


そんなことはさておき、びっくりして声も出ないおじいさんの姿をまじまじと見た見た女の子は

「げふっ」

 とげっぷをしてまた眠りにつきました。


おじいさんは驚きました。新生児が一人でげっぷができることに感心したのです。

とにかくこのままではだめだと思い、おじいさんはこの子を家に持ち帰ることにしました。


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