第27話 毎週のイベント追加
「取り分けとか特にしないから、自分で適当に取って食べてね」
「それじゃ早速」
ヤット&デールサラダはコールスローサラダのような感じ。
野菜や肉などが刻まれたものにソースをかけて混ぜ合わせたものだ。
別注のエビだけは混ぜ合わされず、むき身に熱を通した状態のものが上に載っている。
チキン&チップスのチキンはまさに鶏唐揚げっぽい見た目。
チップスはヘイゼラールのように成形されたものでなく、長さ
リアさんやレアさんが先に唐揚げを取っているので、私はサラダからいただく。
まずは大きめの葉っぱを取って、その上に大匙5回分山盛りくらいに混ぜ合わせてある部分を取ってと。
食べてみるとなかなか美味しい。
割と中に入っているお肉の存在感があるのだ。
あとソースがチーズっぽいマヨネーズという感じでなかなかあっている。
今度家でも作ってみよう。
「コンサートとかショッピングとかしないとなると、ミアさんは休日何をやっているの? 読書オンリー?」
「買い物はします。公設市場や民間市場へ食べ物を買いに行ったりとか。あと家で料理を作ったり本を読んだりですね」
「うーん、何か違う気がするなあ。第6曜日なんてコンサートとか朗読会とかイベント結構あるよねえ。そのあたりは行かないのかなあ?」
「第6曜日は開拓地の方へ行っていますね。うちの仕事があるので」
「そっか、仕事があるんだ。でも開拓地でどんな仕事をしているの? 農業とか?」
「うちの場合は農業じゃないですね。これとかです」
サラダのエビを匙に取って見せる。
「あ、それなんだ。そういえばグラハムさんも言ってたか、海産物と加工品だって」
「でも第6曜日が潰れるのは痛いよねえ。イベントは概ね第6曜日だし」
つまり新聞とイベント、ショッピングが若い女性の余暇の過ごし方として一般的な訳かと理解する。
テレビとか雑誌等がなければそうなるのかな。
「イベントは第3曜日にも結構ありますよ。そのあたりは知識魔法やエルミナレルで見てみればわかると思います」
カイアさんの台詞。
なるほど、あとで見てみよう。
「お待たせしました」
また料理が来た。
今度は残り全部という感じだ。
食事メニューも特に誰のと聞かず、テーブルの中央寄りに置いていく。
「この各自注文した食事分も、共用だと思って適当に自分でよそって食べるのが普通だから。だからもし自分がしっかり食べたいと思うなら最初にしっかり自分の分として取り分ける事!」
レアさんが説明してくれる。
なるほど、そういうルールな訳だ。
確かにこの方が種類多めに食べられて楽しいかなと思う。
「でもアローカプレートって、そういえば頼むの久しぶりだよねえ。ちょっといただきます」
レアさんがそう言ってアローカプレートに手をつける。
なお、
○ 平皿に茶碗を反対側にしたようにこんもりと
○ その上にローストビーフっぽい感じのお肉を敷き詰めて
○ 更に上から茶色いソースをたっぷりかけた
という形だ。
茶色いソースはどんな味なのだろう。
知識魔法で調べるより実際に食べた方がいいだろう。
でも今はレアさんが取っているのでかわりに別のものを。
とりあえず今は肉ピザが一番取りやすそうなので、8枚に切ったもののうち2枚を取る。
生地はピザというより薄めのダンパーパンという感じ。
そこに薄切りの肉とチーズ、葉っぱ系の野菜が載っていて、その上に黄色いソースがかかっている。
食べてみると予想と少し違う味がした。
見えない部分に挽肉と蔓芋とマッシュした物が入っていたから。
パンにコロッケの中身を載せて、ベーコンとチーズを載っけてマヨネーズをかけて焼いたもの、って感じ。
勿論美味しい。
他の人はどんな感じかなと見てみる。
カイアさんはダンパーパンをアヒージョの油に浸して、更に上にアヒージョの野菜をのっけていた。
リアさんもダンパーパンとチルダ煮で同じようにしている。
あの食べ方も美味しそうだな。
「久しぶりに食べるとアローカプレートも悪くないなあ。こぼれそうになるのが難点だけれどね」
「4人いるといつもより2種類多く食べられるのがいいよね」
確かにそうだなと思いつつ、次はダンパーパンを失敬。
アヒージョとダンパーパンの組み合わせに挑戦してみる。
うん、これは今度家で作るべきだ。
でもこの油にニンニクのような辛みを加えているのは何だろう。
『カルラーワ:シダ類の一種。新鮮な肉厚の葉を刻むと辛みが出る』
そういう野菜もある訳か。
どうしても普段はなじみのあるものばかり買ってしまうから知らなかった。
今度公設市場で探してみよう。
それにしてもどれも美味しい。
それでは次はチルダ煮に挑戦してみようかな。
煮物と言っても上はほとんど脂の層だけれど、だからこそパンにあうなんて事もあるのかもしれない。
あと自分で頼んだローストカールの上にかかっている茶色いソースも気になる。
何となく醤油っぽい香りを感じるのは気のせいだろうか。
「ミアさんも結構食べる方?」
リアさんにそんな事を聞かれた。
皆さんより食べていたかな。
ちょっと気になる。
「量的には普通だと思います。ただ、こうやって食べると知らない料理が多いので楽しくて」
「なら週1回くらいはこうやって皆で食べようか」
「だね。人数多い方が種類楽しめるしね」
だとするとグラハムさんとの会食を含め、週2回か。
でもあっちは夕食にはかからないし、まあいいかな。
確かにこうやって食べるのは楽しいと感じるから。
「でもご迷惑にならないですか?」
「もともと3人で週1回くらいこうやって食べますから。問題はありません」
「ならお願いします。第1曜日だけは用件があるので、それ以外で」
家の食事のレパートリーも増えるし、新商品開発の参考になるかもしれない。
そう思うと悪くないかな。
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