第54話 地の頑丈さ
「私の姿はこのような形態をしているが獣人でもモンスターでもない。人間から言うと地の精霊のような存在だ。私は人間の作る食べ物が好きでな。それを食べるための金を稼ぎたい一心でここにやってきた。メルカッドではいささか目立ち過ぎてしまうからこの村くらいが丁度いい。人間の作る干し肉の感触が忘れられん。月に金貨50枚でいい。何かあったら命を張ろう。私はこう見えても義理堅い」
モフモフ犬系地の精霊コボルトは言った。
「それはありがたいです、コボルトさん。この強さで金貨50枚は安い。ぜひ、お願いします」
俺は即決した。
「俺はあんたを先生と呼ばしてもらうぜ。これから稽古をよろしく頼む」
バルガスがコボルト先生に握手を求めながら言った。
「ほう、私が先生か。まあいいだろう。鍛えてやるハゲマッスル。そうだな、弟子であるハゲマッスルには私の加護を与えないといけないな。私の加護は身体能力の向上と地の頑丈さだ。ハゲマッスルよ、さらに硬くなるぞ」
コボルト先生はバルガスの右手を力強く握りしめた。
バルガスがとても困惑した感じで俺に言った。
「なあ、レン。ハゲマッスルって俺のことか」
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