第4話 マシュー君
現れたのは、まんま狩人の格好をした金髪の美少年だった。
美少年の動きはとても素早く、あっと言う間に握った短剣をゴブリンの首筋に突き立てていた。
凄い速さで抜いては刺し、抜いては刺しを繰り返す。ゴブリンは抵抗できるはずもなく、呆気なく倒れた。
「あ、ありがとう」
いろいろと圧倒された俺は気後れしながら言った。
「いえいえ、ゴブリン退治は僕達の役目の一つですから。僕の名前はマシュー、あなたは旅人の方ですか」
マシュー君は言った。
「俺はレン。よろしく。旅人というか名前以外の記憶がないんだ。出来れば助けて欲しい」
俺はそう言うしかなかった。地球から海苔の精霊に召喚されたなんて信じてもらえるはずない。ごめんね、マシュー君。
「そうですか、記憶がないとはご不便ですね。着ている服装からするとこの国の方ではなさそうだ。人助けも僕達の役目です。僕に任せて下さい、レンさん」
工場作業着姿の俺を見ながらマシュー君は言った。
「ありがとう。本当に助かるよ、マシュー君。見ての通り俺、非力でね」
これが生涯のパートナーとなるマシュー君との出会いであった。
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