性格に難あり

「え? 悟志さん本気? 私は絶対に反対!! 」

「大丈夫だって! あいつは教え方なら俺より上手いんだから。まぁ、性格に難があるけどな。」


「それ! それが一番の問題! そのせいで私たち、何人ものスタッフが辞めていくのを見てきたじゃない! 」

「でも、あいつのそういう性格が逆にクレバーな講習につながっているところもあるんだよ。本当は俺がやってやりたいけどこの調子だから.. あいつなら俺が出した条件でやってくれるだろうしさ」


「あ、あの.. 」


・・・・・・

・・


「桃ちゃん、本当にいいの? 12カ月だよ? 」

「いいえ、正確にはあと10カ月です」


「そうね.. わかったわ」


◇◇◇◇

私はインストラクターコースを受ける事にした。

だけどこのインストラクターコースの料金も決して安くはない。

私は店の手伝いをする代わりに講習料の免除をしてもらえる事となった。


期間は12カ月。

週1回の無給奉仕。


でも既にダイブマスターコース期間に2か月無給でお手伝いもしているので残り10カ月。

これは私が提案した考えだ。

多少強引ではあるがVisitにも決して悪くはない条件だと思った。

◇◇◇◇


「でもね、桃ちゃん。うちでは悟志がこんな状態だから今はIDC(インストラクターコース)できないのよ。代わりに片岡というコースディレクターが開いているサウザーダイビングに委託する形になるけどいい? 」


「はい。それでいいです」


詩織さんはしばし困った顔をしていた。


「仕方がない。何て頑固なのかしら! 話はこちらで通しておく。計画通りいけそうなら、桃ちゃんへメール送るよ。そうしたら書類作成するからそれを持って片岡君のお店に行ってらっしゃい」


何気に私を頑固者呼ばわりした後、大きく息を吐きながら私を見つめていた。


しかし詩織さんにそこまで嫌われている片岡さんってどんな人なのかな?

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