八壁が来たりてなんか言う

八壁ゆかり

01:自己紹介と、影響を受けた人物紹介

 おはよーございます、八壁やかべゆかりです。

「八壁が来たりてなんか言う」、リブート版の初回でございます。

 まずは自己紹介をしましょうかね。


 十歳とかそれくらいから小説を書いています。現在は三十路後半で、WEBライターとしてお仕事をいただいています。がっつりはできないのですが、一応原稿料が発生するお仕事なので、私は自分を「物書き」と称することが多いです。広義で。


 筆歴を述べますと、我流で書いたエンタメ寄りの小説を16歳の時に文藝賞に応募しましたら、二次審査を通過いたしまして、最終選考に残った綿矢りささんと名前が並びました。

 送ったことをすっかり失念しており、結果発表の号は図書館で見つけたのですが、大声が出せないので、ダッシュで母を捕まえ、自分のペンネームを指さし、「これ私! これ私!!」と押し殺した絶叫を語義矛盾と言わせない勢いであげてました。


 で、翌年も文藝賞に応募したんですが、こちらは一次通過止まり。

 さらに翌年、ニューヨーク市クイーンズで、すなわち英語圏に住み、英語で大学の授業を受け、英語で生活している状況下で日本語の小説を書きました。

 これが存外に難しくてな! 

 初めて国語辞書を使いながら書いた話になりました。そしてこれも文藝賞に応募し、一次通過止まりでした。


 メンタルの関係で帰国の憂き目に遭い、医療保護入院で閉鎖病棟に入りました。

 その時の体験をもとに書いた小説はどこにも公開していないのですが、長年私の小説を読んでくれていた友人たちは喫驚してましたね。


「え! 殺人事件とか起きてない!!」

「衝撃の展開とかどんでん返しとかがない!」

「おまえに何があった?!」

「これはあんたの日記か」←これは実母


 要するに日常モノを書いたのです。

 ここで言及しなければならないのは、私の心の師匠、フランスのノーベル賞作家、ル・クレジオ大先生です。


 閉鎖に入るなら本を読んで過ごそう、なんて甘い考えで、私は吉祥寺の古本屋で書籍をかなり買い込みました。


 その中に、俺の人生のバイブルの一冊と言ってもいいくらい衝撃とインスピレーションを与えてくれた、ル・クレジオのデビュー作「調書」の初版があったのです。

 クレジオ先生は、「言葉の黒魔術師」です。「黒魔術」というのがミソです。

 すっかり感化されてしまった私は、難解で哲学的なクレジオ文体を模倣したり、意識するようになりました。短編集「発熱」、長編「大洪水」、そしてこれはまだ読み途中ですが、随筆「物質的恍惚」を揃え、すっかりクレジオワールドの民となったのです。


 影響という意味では、十代の時に出会った漫画家の楠本まき先生の影響から抜け出すのには粉骨砕身の努力を要しましたね。独特の言葉のチョイスや耽美さ、もう一発でやられました。

 出会いは「致死量ドーリス」という漫画で、白い表紙には、銀色のハサミが描いてあるだけ。どんな絵柄なのか、あらすじすらありません。その上価格は通常の単行本が二冊は買える額。

 しかし、ある種の勇気を持って購入し、読了後、私な茫然自失としながら、こう思っていました。


「これが漫画だっていうなら、私が今まで読んできたのは一体何だったんだ?」



 あ、まだありました。多大なる影響を食らわせてくれた存在。

 映画監督のハーモニー・コリンです。

 日本ではあまり知名度はありませんが、私は「ガンモ」と「ジュリアン」を日本で見て圧倒され、勝手にドグマ協定に加入したかのような小説を書いたりして、その中の一つが「Aの目撃者」です。

 性描写が苦手なので、全部を見ているわけではないのですが、「ミスター・ロンリー」も素晴らしい作品でした。


 他にも影響されたものはたくさんあるのですが、それは主に音楽、ことロック・ミュージックや、ロックスターのインタビューでの発言などでした。

 それらに関しては追々解説するとして、今日はこの辺にします。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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