かわいい幼馴染がオレの事好きだったけど今更手遅れなわけで…そんな幼馴染に恋のアドバイスをして欲しいって言われ…

猫の集会

今更遅いよな…

 オレの幼馴染は、かわいい。

 名前は、美月みつき

 でも、とにかく食い意地だけは半端ない。

「もう‼︎また浩介こうすけ私のチョコ食べたでしょ」

「あー…つい小腹が減って。ってかなんでオ

 レの部屋にお菓子おいとくんだよ…」

「ん?なんでって…とにかく‼︎倍にして今度

 来るまでに買っておきなさいよね!」

「今度って、お前毎日くんじゃん。」

「そう。美月はいつでもお伺いいたします」

「あ、そうっすか。」

「うん!」

 そんなくだらない毎日を過ごして中学生に

 なった。

 

 美月は、よく告白されている。

 でも、いつもお断りしているみたいだ。

 

 正直オレは、毎回美月が告白されたって聞

 くと内心穏やかではなかった。

 だってオレは、美月が大好きだから。

 中学になっても美月は、オレの部屋によく

 入り浸り一緒にゲームなんかして遊んだ。

 

 高校生になり美月は、さらに美しく成長し

 た。

 サラサラの黒髪がとにかく似合う。

「ミーツキ‼︎」

「あ、浩介。久しぶり」

 オレと美月は、別々の高校。

 だから、たまにしか会わない。

 

 今までは、お菓子の取り合いとかして過ご

 してたけど今は、たまに会うとぎこちなく

 会話して終わる。

 美月おばちゃんの話だとまだ彼氏いないっ

 ぽいんだよな。

 よし‼︎ここは、思い切って!

「あのさ、美月」

「何?」

「オレたちもう高校生じゃん⁉︎だからさ、付

 き合わない?」

「えっ、高校生だから付き合うの?」

「うん。ダメ⁇」

「ダーメ‼︎」

 あっさり振られた…。

 

 小学生の頃、美月はオレの事好きなんだっ

 て友達から聞いたぞ。

 だからずっとオレの事好きで告白断ってた

 のかと少しは思ってたのに…。

 違うのかよー‼︎

 

 じゃあ、なんで美月は誰とも付き合わない

 んだろうか…。

 ピンと来る運命の相手に出会えてないとか

 か⁉︎

 ははっ…。

 そうか。

 オレは、運命の相手じゃないんだな…。

 

 高校生になっても美月は、誰とも付き合わ

 なかった。

 もちろんオレも彼女なんていない。

 

 大学生になり美月は、さらに美しい。

 最近は、ほとんど話さなくなった。

 

 しかし、いつもラフな格好をしているな。

 かわいいけど。

 

「おー、美月!」

「あ、浩介」

「美月ー、大学生なのに随分ラフな格好して

 んじゃん。」

「うん。ダメかな…⁈」

「だめじゃないけど色気はないかな」


 その方が安心だけど。


「色気がない⁉︎だから…だから最近…」

「最近どうした?」

「好きな人が…」

「好きな人できたの⁉︎」

「ううん。前からいる」

 

 はぁー⁉︎マジか…

 いつからいたんだよ。

 だからオレ振られたのか…。

 

「で、その好きな人におもい伝えたの?」

「ううん。」

「なんで伝えないの?」

「えっ…だって。どうやって伝えたらいいの

 か…」

 

 うーん。

 仕方ない‼︎美月の為だ!応援するか‼︎


「ならさ、そのラフな格好やめてかわいい服

 装して好き好きアピールでもしてみたらい

 いんじゃん?」

「可愛くか…。わかった!やってみる。あり

 がとう‼︎」

「おう。頑張れよ」

 

 …何好きな奴の応援なんかしてんだよ。

 オレは…。

 

 次の休日

 ゲームをしていると、

 美月が久々にオレの部屋にやって来た。

 

 うぅわぁ…

 びっくりした‼︎

 

 美月は、めっちゃかわいい服装で現れた。

 きっと好きな人に見せる為の予行練習だ。

「おー、美月。かわいいよ!それならバッチ

 リじゃね?」

「本当?」

「うん。かわいい」

「ありがとう」


 わざわざ見せに来てくれるなんて。

 

 ストン。

 美月は、オレの隣に座った。

 ん?

 帰んないのか。

 今日は、暇なんだな。

「美月、一緒にゲームする?」

「うん‼︎やる‼︎」

 久々に二人でゲームした。

 

 だけど落ち着かない…

 かわいい服装だし、いい香りしてくるし…

 

 それからしばらく美月は、オレとゲームし

 て遊んだ。

 

 月曜日窓の外を見ると美月が学校に行く途

 中だった。

 ラフな格好だ…。

 この前のワンピースは、洗濯中かな?

 って思ってたけど今週ずっとラフな格好で

 学校に行っていた美月…。

 

 そしてまた休日

 

 ギョギョ‼︎

 美月‼︎

 

 すっごいセクシーな服で登場してきた。

 えっ⁉︎

 何⁈

 化粧もバッチリじゃん。

 これからデートなのかな?

 

「美月…、これからデート?」

「ううん。違うよ。」

 違うのか…。

 また、いいかどうか見せに来てくれたのか

 な?

「美月、この前のワンピース姿好きな人に見

 せた?」

「うん!かわいいって言ってくれた‼︎」

 あー…いつのまにか見せてたのか。

 バックに入れといて着替えたりしたのかな。

「そっか。よかったな」

「うん!で、今日の服装はどう思う⁇」

「いいよ!すっごく。」

「本当?ありがとう」

 美月は、嬉しそうに笑った。

 

 そしてまた、座った。

 

 …また、オレと遊んでくれるのか?

 

「美月もやる?」

「うん‼︎」

 美月は、セクシーな服でゲームした。

 

「なー、美月寒くない⁈」

「うん。少し」

「なら、コレ上に着なよ」

 白のパーカーを渡した。

「ありがとう。あったか〜。」

 

 なんかオレの上着着てるとオレの彼女みた

 いだな…。

 しかもめっちゃかわいい。

 ダボダボでかわいい。

 そんなかわいい美月が隣でゲームしてる。

 

 ヤベーなー…。

 美月…もうすぐ彼氏できちゃうんだろーな。

 

 はぁ…。

 

 そして美月は、毎週のようにオレにオシャ

 レした姿を見せに来てくれる。

 

「美月さ、そろそろ告白したらいいんじゃん

 ?」

「えっ、告白…。うん。でも向こうから言っ

 てほしいの。」

「そうかぁ。でもそんなのんびりしてたらそ

 の人他の人に持ってかれちゃうかもよ⁈」

「うん…。その心配は、ずっとしてる」

 ずっと…。

 いつから片想いしてんだよ。

 ったくよー。

 

「その人、いくつ?」

「同い年」

「そっか。で、どこが好きなの?」

「あのね、優しいところ‼︎一緒にいると落ち

 着くし。」

「ふーん。うまくいくといいな。あー、オレ

 も彼女つくろっかなぁ」

「えっ、なんで⁉︎」

「なんでって…彼女いたら楽しそうじゃん」

「でも…早まらない方がいいよ‼︎」

「なんだよ。早まるって」

「ねぇ‼︎どうやらったら向こうからきちんと

 告白してくれるかなぁ⁈」

 えっ…

 なんで急にそんな切迫詰まったみたいに…

 

「とりあえず好き好きアピールもっとしたら

 いいよ。」

「例えば⁇」

「ボディタッチとか?」

「あー…ボディタッチか。あとは?」

「あとは、間接キスしたら?」

「間接キスか。他にもある⁇」

「うーん…かわいい顔してじっと見つめたら

 キスでもしてくれんじゃね⁉︎」

「そうかぁ。でもいきなりキスとか嫌だ。先

 に好きって言ってくれなきゃ」

「あー…ならキスされそうになったら、私の

 事好き?って確認したらいいんじゃん?」

「う…ん。ってか確認とか嫌なんだよなぁ」

「…もうそこらへんは好きにしてくれよ」

「冷たいなぁ」

「ごめん。でも、その作戦で健闘を祈る‼︎」

「わかった!ありがとう。じゃゲームはじめ

 よう。」

「おう」

 

 ゲームしていたらやたらオレの服を引っ張

 る美月。

「ちょっとー、ずるい〜」

 って言いながら。

 あと、おっと…って言いながら軽くぶつか

 ってきたり。


「ねー、のどかわいちゃった。そのお茶少し

 もらっていい⁇」

 なんて言ってきたりもした。

 これは、予行練習か⁈

 試しにいいよって言ったら、ごくごく飲ん

 だ。

 予行練習だよな⁉︎

 からだ張りすぎじゃね⁉︎

 

 しまいには、こっちをジーっと見つめ出す

 始末…。

 オレを練習台に活用しすぎだろぉが。

 それともオレの事が好きだったとか⁉︎

 でも一回振られてるんだよな…。

 ならば、キス寸前で止められたら確実に練

 習台。

 もし…もし止められなかったら美月が好き

 な人って…。

 

 美月は、じっと見つめている。

 だから、オレもじっと見つめて美月に近づ

 いて言った。

「美月、好きだよ。」

 そしてキス…

 するぞ⁉︎

 ストップかけるなら今だろ⁉︎

 美月。

 いいんだな⁉︎

 

 チュ〜。

 ついに美月とキスしちまったぞ。

 

 そして美月からゆっくり離れた。

「美月?」

「浩介、やっとちゃんと好きって言ってくれ

 た。」

「えっ⁈」

「ずーっとその言葉待ってたよ。」


 マジかよー‼︎

 全然わかんなかったー‼︎

 

「じゃあ、美月が好きな人って…」

「浩介に決まってんじゃん。私も浩介が好き

 だよ」

 

 美月は、オレに抱きついてキスをした。

 

 

 

 おしまい。

 

 

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