僕は君を助けることができない

銀じゃけ

第1話 ぼくはソウ


ぼくの名前はソウ

かっこいい名前だろう?



ぼくはお家で日向ぼっこしたり、ママの隣で一緒にテレビを見るのが大好きなんだ!

でもママよりも大好きなのは、ぼくの弟のマシロ




「ただいま~!」



噂をすれば帰ってきた




「おかえりマシロ、今日は何してきたの?」


「ただいま。今日はね、みんなで劇の練習をしたんだよ。」


「どんな劇をするの?マシロはどんな役?」


「落ち着いてってば。お披露目会まで内緒だよ。」




教えてよとマシロにねだっているママに当日まで楽しみにしててって教えてくれない。

マシロのお披露目会楽しみだな…

ぼくも連れてってくれるのかな?

いつもぼくだけお家でお留守番だからいつもつまらないんだ。

その後、撮ってきてくれたやつを見せてくれるからいいんだけどね。





マシロはぼくの弟なんだ。

大きくて、力持ちで、ぼくに持てないようなものも簡単に持っちゃう!

ぼくが困ってるといつも助けてくれる優しい弟なんだ。


そんなぼくたちは、毎日一緒にお風呂に入ったり、一緒のお布団でぬくぬくしながら寝るのが日課。

たまに喧嘩して部屋に入れた貰えないこともあるけど…

ちゃんと仲直りするから問題ない!


マシロが小さい時からそうやって過ごしてきたからもう慣れてきちゃった



この前だってぼくがマシロのご飯をちょっとだけつまみ食いしたらすっごく怒られた。

その後全然話も聞いてくれなくなっちゃったし、部屋にも入れてもらえなかった…

そんなに怒らなくてもいいじゃん?

他人のご飯はおいしそうに見えるんだもん。



あ、そんな話をしている間にそろそろお風呂の時間!

いつもならマシロが呼びに来てくれるはず…



「ソウ、一緒にお風呂入るだろ?」



来た!!



「もちろん入る!!」




この暖かいお風呂が一番の幸せ。

濡れるのが好きじゃないから長くはいられないけど…

マシロと入るお風呂は世界で一番だと思う。


でもぼくはのぼせちゃうからいつも先に出ちゃうんだ。

ごめんね。




そしてお風呂上がりの楽しみは…


お水!!!


お風呂の後の水はいつにもましておいしい

飲むのは水が一番だと思うんだ。




そういえば、今日はマシロのお風呂長いなー

いつもなら出てきている時間なのに

何やってるんだろう?

見に行ってみようかな



「マシロ~、何やっているの?」



お風呂の外から読んでみたけど、返事がない。


ドアを開けて、失礼しまーす。


…え!?

マシロが湯船の中で倒れてる!?





あ、いや、違う。

寝ているのか…

良かった。



「マシロ、起きて。本当に倒れちゃうよ。」


「んん、ソウか。」


「ほらほら起きて、マシロ」


「僕、寝ちゃってたんだ。ありがとう。出るから落ち着いてソウ。」




本当に危なかったんだからね!

このままぼくが起こしに行かなかったらどうなっていたと思ってるの!?

もう、本当に手がかかるんだから。



そしてマシロがお風呂から出た後は、お待ちかねの!!!



ご・は・ん

いぇーーーーーーーい!!!!



いただきまーす!

ママの作ってくれるごはんは本当においしいんだ

ほっぺたが落っこちちゃう

お魚のたたきがいい感じに歯ごたえも残ってるから食べやすいの。


おいしすぎてすぐに完食ダゼ☆

ごちそうさまでした!




食べたら後は寝るだけ

マシロは宿題が~って言ってたけどぼくには関係ない

お腹いっぱいになったら眠くなっちゃう…



「早く寝ようよマシロ~!」


「ソウ邪魔しないでって!宿題してから寝るんだから待ってて!」




ちぇ、すねてやる

先に寝ちゃうんだもんね


明日はマシロ休みだからいっぱいかまってもらうからね?

おやすみなさいマシロ


いい夢を見てね







ん?


なんか暑い…


夜はいつも寒くてマシロの近くに寝ているのに

今日はいつもよりも暑い

マシロの体温ってこんなに熱かったっけ?

ぼくの体温が上がっただけ?




「マシロ~、暑いよ~」




ぼくは起き上がって寝ているマシロの顔に触っていみた



熱かった


それもかなり…

今までこんなに熱かったことないのに

なにこれ!?





-続く-

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