未完成人間
春海レイ
第1話
私は昔から人の常識がわからなかった。
昔友達と公園に行く約束をして、絶対に一緒に行こうねと話だ。
当日、雨だったのに僕は公園で待って、びしょ濡れになりながら帰り、次の日来なかった友達に殴りかかって、問題児のレッテルを貼られた。
ちなみにその友達とはその日以降友達じゃなくなった。
なぜ私はこんなに人の常識がわからないのだろうといい悩みを学生の頃ずっと抱えていた。
高校2年の春、友達を傷つけた僕に先生が言った言葉は、
「お前はなぜそんなにも問題を起こすんだ」
と先生に言われた。
僕はこの言葉は聞き飽きていたので適当に流して聞いていた。
「お前って本当に不用品なんだな」
この言葉を除いて
僕はその日、理解したんだ。僕が未完成の人間だという事を
だがその考えは僕に希望をくれたんだ
未完成な人間ということは、これからの努力次第で人間として完成できるということだ
僕はその日から人と会話する特訓を始めた。
会話術の本を読んで、ありがとうとごめんなさいとちゃんというようにして、女性をナンパしてみたりした。これは一回も成功しなかったが
僕はただただ完成品になりたかった。
だから筋トレもした。バイトもしてお金を稼ぐ方法を知って、
だが、完成品にはならなかった。
どんなに頑張っても頑張っても頑張っても、完成品にはならなかったんだ。
僕は学校で失敗をした。
友達を馬鹿にした人間を殴ってしまったんだ
僕はただ救ってやりたかった。友達を馬鹿にする奴に謝らせたかっただけだった。
だけどこれで全てが悪い方向にいった。
僕は刑務所に入れられて、出て来れたのは3年後だった。
僕を迎えに来た母は僕に罵声を浴びせて、
僕を目覚めさせたあの言葉を言ったんだ。
「この不用品が!」
この時僕はやっと理解した。部品が不足してる人間は完成品になることなんてないと
僕はその場で母親を殺して、車で友達の場所に向かった。
途中パトロール中の警察を轢き殺して拳銃を奪った。
赤く染まった車を友達の家の前に止めると、友達の親二人を家にあった包丁で刺し殺した。
その後、友達が帰ってくるのを待って、
母親と父親を見せた後に気絶させて、足の指と手の指を切り落としてやった。
気持ちよかった。やっと自分が解放された気がした。その後私は警察に捕まった。
まあ抵抗して5人殺したが
ーーーーーーーーーー
「これが私の人生だよ警察官さん。どうです?聞いたて気持ちよかったですか?」
尋問をしている警察官にそう言った。
「…お前に同情はするが、それは人を殺していい理由にはならない」
「ひっ…ひひひひひひひ!」
俺は笑った。大いに笑った。こいつは何も理解してない。
「誰もが加害者であり被害者なんだ。被害者は加害者に対抗する権利をお前らが奪った。結果が今の日本の自殺率だ!警察官さんよぉ…?わかってるだろ。この世界に王様も総理大臣も憲法を必要じゃない…必要なのは…殺す勇気だけだ」
「黙れ」
俺の言葉を警察は聞こうとしない。だが俺は知ってる。この言葉が俺に勇気をくれたから。
「俺は今、完成したぁ…」
考えることをやめた私はやっと完成品になった。
今日も牢獄で笑う。幸せを噛み締めて、死刑執行の日に沢山の人を殺すために
未完成人間 春海レイ @tanakazaurus
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