私達って

私達は高校の時から付き合っている長いカップルだった。


高校一年生の途中に、親の転勤で転校してきた私は中途半端な時に転校してきてしまったせいで中々周りには馴染めなかった。


そんな時に話しかけてくれたのがもう今は私の元から消えてしまった貴方だった。

貴方が話しかけてくれたお陰で、私の生活は世界が変わったかのように変化して行った。


毎日1人で食べていたお弁当も、貴方と食べる様になったのが当たり前だったし、下校時も、登校時も、貴方と居るのが当たり前になった。


あなたが話しかけてくれたお陰で周りに馴染めなかった私にもどんどん友達が増えて、クラスの中心にいるような人間になれた。

貴方があの日私に話しかけてくれてなかったら、仲良くなろうと言っていなかったら、あの時の私はいなかっただろう。


それからは充実な日々が続いて、高2になる前の春、貴方が「これからの将来、桜と歩んで行きたい」と告白してくれた。


私も同じ気持ちで、とても嬉しくてその日は涙が止まらなかった記憶が未だある。

それから、高二、高三の春夏秋冬はずっとあなたと過ごしていた。高校卒業した後は、大学等で忙しくなってしまったけれど、それでも毎晩電話したり、トークを続けていた私は、それだけで幸せだった。

あの時貴方も同じ気持ちだったのかな。


大人になってから貴方と結婚も考えていた私と、「今はまだ忙しい」と言って中々考えてくれなかった貴方。

それでも貴方と一緒にいる時間がとても幸せで、貴方とこの先も歩んで行けるのだったら

まだ良いと考えていた私。


喧嘩なんてあまりしないカップルだったし、周りには「バカップル」と言われる程の仲だった。倦怠期なんて有り得なかったのに、

突然居なくなってしまった貴方。


昨日まで私達一緒にご飯を食べて、テレビを見て笑いあっていて、明日もこんな幸せな日々が続くんだろうと考えてた私を置いてどこかへ行ってしまった。



それからの私は食も喉を通らず、周りには何があったの?と心配される程にまでなってしまった。



あれ程仲良かった貴方と別れたなんて、言えなかった私は、2人で暖かったあの部屋は寂しさと冷たさで埋まってしまった。

冷たく凍った様な広い部屋でずっと貴方のことを一人、考えるだけだった。


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