第6話 もふもふと出会いました

転生してから2年が経過したある日。


公爵家長男である俺は将来家督を継ぐ必要がある事を思い出し憂鬱な気分だった。


「はぁー異世界モノって大体貴族の三男に転生して冒険者になって途中で王族の馬車助けてって流れがテンプレなのに…」


そう!長男と言うことは冒険者にもなれないし、基本馬車移動なので王族を助けて王女様と奇跡的な出会いをする事ができないのだ!


まぁパーティーでは普通に出会うだろうが……。


「これから勉強漬けの日々がやってくるのか……」


気分を入れ替える為に窓を開けた。


今更だが、公爵家の屋敷はでとてつもなくでかくて広い。


屋敷というか、城じゃね?ってくらいでかい。


領地も広く、民からも慕われている為、王都並みに発展しているみたいだ。


ちなにみ俺は、マーヘルド王国のどこに公爵家があって、他の領地がどこにあるのか、位置関係はまだよくわかっていない。


子供にはまだ早いと思われているのか地図も見た事がない。


領地の側には秘境の森と言われる森がある。


秘境の森に沢山の魔物がいるみたいなので不可侵の森だ。


魔物が侵攻してきた時に守るのがノベルスク公爵家の仕事だろう。


騎士団も見たことないけど強いんだろうなあ。


と、黄昏てきたらパサパサと音が聞こえた。


周りをみても何も見えない。


聞き間違いかと思って憂鬱な気分に浸っていると


「キュキュー」


「っ!?」


いきなり窓の淵に赤いもふもふの鳥?が現れた。


「びっくりした!うわぁ!真っ赤な鳥だ!きれい!それにもふもふ!」


転生して初めて動物?魔物?を見た。


それは地球でも見たことがない神々しい燃え上がる炎のような鳥だった。


しかも可愛い。俺を見て首を傾げている。


「キュ?キュキュ!キュー?」


何言っているかわからないがとにかく可愛い。


すると【ポーン】と音がなった。


これはクエスト更新の音だ。


確認してみると


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《基本クエスト》

★★★従魔を1匹仲間にしよう―従魔術:1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


従魔か……。これは仲間にしろってベル爺からのお告げかな?


「ねぇ、赤い鳥さん。僕の名前はルイン。僕友達も居ないし寂しいんだ。よかったら僕と一緒にいてくれない?」


俺は今友達もいない。あたりまえだが。話し相手が欲しいのだ。


親やメイドさんだと赤ちゃんのフリをしないといけないので疲れる。


「キュ?キュキュキュ!」


何を言っているかわからないが鳥さんが頭を下げた。


これは契約してくれるのか?


「いいの?ありがとう!」


確か名前をつけてあげなきゃ。


宝石のルビーよりもガーネットぽいな。


安直だけど……。


「ガーネ!君の名前はガーネだ!」


「キュ!」(ありがとう!)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【ポーン】

従魔―ホーオウ(ガーネ)が従魔になりました

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あれ?ガーネ?ガーネの声が聞こえる!」


「キュ!キュー?キュキュキュー!」(本当!本当に?やったね!)


てか、ホーオウって鳳凰の事?鳳凰って幻獣とかなんじゃないの?大丈夫?あとで両親に確認しよう。


「ガーネはなんで僕の所にきたの?」


そこからガーネの過去を聞いた。


「そうか……。ガーネも大変だったね。なら今日から僕たちは家族になろうよ!ね?僕強くなれるように頑張る!ガーネを守れるように!」


「キュ……。キュキュ」(ルイン……。ありがとう。)


「よし!ならまず、僕の親にガーネを紹介するね!」


頬擦りしてくるガーネを撫でながら僕は、両親の元へ向かった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る