第183話
「あ、ちょっと待って!!」
監督役に報酬をもらい、共演者の数名とも言葉を交わした後、舞台裏の片隅で待つ
声の主は出演の
「ある程度の始末が済んだら場を離れて、貸し切りの食堂で打ち上げをするんですけど、夕食を兼ねて参加しませんか?」
「お、いいね、私達も歓迎するよ」
「舞台が中止を
近くに居合わせた役者や、裏方達に異論はないようで
彼らの話だと仮設舞台は翌日以降も他の用途で使うらしく、そのまま中央広場に
「ん… 連れ合いも一緒なら
「おぉう、
「いや待て、黒の王は野郎に囲まれていただろう」
「ふふっ、違いありませんね。それはさておき、向こうと合わせて七人ですか……」
ちらりと脚本家が
ぷち修羅場といった状況だが、
「ルー先輩、どいて、そいつ倒せない」
「お望みとあらば、
「ッ、二人とも落ち着け、色々と弁解の余地はあるはずだ!」
「あははっ、直情的で可愛いね、
仮に “銀の王” をやらされていれば、嫉妬深そうなフィアとウルリカに責められたのだろうかと、
「追加の人数分くらいなら、予備費から出してくれるみたいです」
「では、お言葉に甘えさせてもらおう」
飯代が浮くのは悪いことでもないため、遠慮なく手招きで身内を呼び寄せれば、ふりふりと黒毛の尻尾を揺らすウルリカに続き、姉代わりの二人もやってくる。
「奢ってくれるのに断る理由は無いよね、ダーリン♪」
「えっと… 私達まで宜しいのですか?」
「ふふっ、構いませんよ、司祭様」
「劇が中止になっていたら、主催の商工
最悪、全額ではないにしろ、劇団に払った
その後方より歩み寄ってきた疲れ気味の第一王子や、いまだに不機嫌な双子姉妹とも幾ばくかの立ち話を挟んでから、打ち上げの会場となる大衆食堂へ向かった。
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