第111話 ~ 逢魔が時の怪異③ ~
「えっと…これで事件解決なの、ダーリン?」
「いや、あれは広範に渡ってマナを収奪するための働き蜂、もとい働き蝙蝠だろう。本腰を入れて数日しか
残念なことに
その淡白な対応に疑義があるらしく、瞬歩で追い
「怪我人がいます、地母神派の末席として捨て置けません」
「…… 構わないが、手短にな」
「ん~、晩御飯の買い出しもあるからね」
荒事の場にそぐわない微笑を浮かべた幼馴染の少女に呆れつつ、聖槍の穂先を降ろした司祭の娘は振り向いて、
どう声を掛けるべきか、考えあぐねた第一王子のルベルトと勝気な猫虎人、セリアは無言のまま仲間への道を譲った。
「では、処置に当たらせて
「すまない、よろしく頼む “槍の乙女” 殿」
治療行為とは
事前の応急手当もあり、
「くッ、地母神派に情けないところを見せてしまったな、
「
二つ返事を返した司祭の娘は
「…… マナ欠乏症、昏睡事件の被害者と同じです」
「ッ、誰か知らないけれど、やってくれたわね」
もはや猫を
一方、猛寧な後輩の本性が垣間見えて、“あぁ、また虎が出てきた” と片頬を引き
「助勢に感謝する。確か、父君が宰相派の……」
「人違いだな、俺は “
王城の
従って、貴族子弟の位置づけになった優男は気安い態度を取り、跡目争いでの実績を確保するため、追っかけている事件の情報交換を試みるが、取り付く島もない。
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