第101話
「この時期なら、鎮魂の風習を意識する者も少なくない。それなりに強化されて中級の魔物といった程度か、余裕だな」
個々の面積が狭い樹牢結界の内側にて、
それに
「クヶケェエ――ッ、ギィ!?」
「
出てきた瞬間、即座に
動揺して藻掻いた相手が発火能力を使い、こちらの強引な締め技を焼き
「ギ… ギギ……」
「ケヶエエッ!!」
幾らかの仲間意識はあるらしく、怒りの青焔など
繋ぎとめる
最後まで結末を見届けることなく、
軽く刃を振って鞘に収めた直後、樹牢の天井を
「… 登って来いと?」
何となく施術者の意図を読み解いて、木枝の骨組み
確か、直接の面識は薄いものの四年前に行方不明となり、半年後に浸食領域の森から生還したという、多少の奇縁がある学生だ。
「
「ジェオ・クライストは評判の通り、“鉄腕” のオルグレンも鋭さが増して
ふいに聞こえた声を拾って振り向けば、試験を受ける者の数だけ錬成された樹牢の中心付近、その天辺にて木筋を足場に立つ老教授と講師の姿がある。
「やぁ、君の活躍は良く聞いているけど、お目に掛かるのは “拝星の祭壇” 以来かな? 任意の空間を爆破する固有魔法の
「憶測で物を言うな、痛くもない腹を探られるのは散々だ」
「ははっ、結構、がっつりと聴取されたみたいだね」
一昨年、海軍主体で陸だと弱い領軍の損耗を避けて “槍の乙女” や “踊る双刃” を含む、十数名の冒険者と領内でメタルリザードの群れを討伐した後、領域爆破の魔法
その時は
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